【知識】香川県はなぜ「うどん」が盛んなのか?~その1~
「うどん県」といわれるようになった香川県。なぜ、うどんが盛んになったのでしょうか?
いくつかの書籍等を参考に考えていきたいと思います。
【知識】香川県はなぜ「うどん」が盛んなのか?~その1~
ーー香川県はなぜ「うどん」がこんなにも盛んなのでしょうか?
香川県は「うどん県」といわれるほど、とにかくうどんが盛んです。
各県別の県内うどん店数は675軒で全国15位です。
一世帯あたりのうどん(そばも含む)の消費金額では12,570円でダントツの1位です。
ちなみに2位は埼玉県6,715円ですので倍の金額を消費していることになります。
(※農林水産省米麦加工食品生産動向2009より)
うどんは小麦粉、水、塩でつくられるシンプルな食品です。
原料である小麦、塩、水の視点から解説していきます。
→讃岐うどんは面白い~その1~「うどん学」を教える合谷教授にインタビュー。
→創業70年越え。「山の谷うどん」の3代目店主がつくる「鴨南蛮うどん」を紹介。
ーー香川県の気候からみた小麦。
うどんの原料となるのは小麦です。
香川県は温暖で晴天が多く、気象災害が少ない地域です。雨がとても少ない地域なんですね。
理由は四国山地と中国山地に挟まれ、盆地とも似た状況にあり、乾いた気流が多く雨雲が侵入しずらいからです。雨が少ないため、県内には16000を超える無数のため池があります。
昔の方々は試行錯誤を繰り返しながら、県面積の18%占める稲作水田が開発されました。
水田が出来ると、稲作と同時に裏作(二毛作)として小麦等の畑作がはじまります。
水不足と上手に付き合ってきた結果、小麦の収獲が盛んになりました。
また、小麦は醤油の原料にもなります。色々な諸々条件が一致して、小麦をより美味しく食べる手段として「うどん」が香川県全域に広まりました。
→讃岐うどんをつくる小麦粉「ASW」と「さぬきの夢」について。
ーーうどんづくりに欠かせない塩。
香川県は「塩」の産地でも全国的に有名です。
立地的に瀬戸内海と面しており、雨が少なく海も遠浅であることから、塩づくりの基準をみたしていました。
簡単に言うと、海水から塩を簡単につくることが出来たんです。
塩づくりで有名なのが塩田開発で久米栄左衛門(くめえいざいもん)です。
久米栄左衛門は風当たりの強さこそ、良い塩田作りの条件と考えました。
坂出の塩田づくりに邁進し、塩づくりの規模と生産量が共に日本一となります。香川県の「塩」づくりの基盤は江戸時代に完成します。
→【取材】讃岐うどんの「塩」に迫ります。入浜式塩田の塩づくりを取材。~その1~
ーー塩と醤油の関係性について。
一般的に「醤油」は江戸時代には、日本国内で本格的に商品として流通していました。
当時の醤油づくりは、一部の栄えた江戸のような、都市周辺のみで行われておりました。
「醤油」づくりの肝である、醸造技術が難しかったのが理由です。そんな中、香川県は製塩地として、発達します。塩回船(塩を全国各地に納品する)も発達し、都市部との交流が盛んになりました。
全国各地を回る際に、当時ではごく一部でしか、つくることが出来なかった「醤油」づくりの技術を学び取りました。
結果的に、塩の搬出と共に醤油の製造技術の習得や販売に好都合だったのが理由と言われています。
→【知識】県外の方必見。讃岐うどんの食べ方を解説していきます。
今回の記事は下記書籍を参考にさせて頂きました。
書籍名 讃岐うどん物語
発行日 1993年3月発行
発行 香川県農林水産部園芸特産課
企画 さぬきうどん研究会
ーー関連記事について
→【知識】県外の方必見。讃岐うどんの食べ方を解説していきます。
→はじめての讃岐うどん巡りにおすすめ~車で楽しむ讃岐うどんアクティビティ~
→【知識】讃岐うどん初心者は必見。さぬきうどん巡りの前に知っておきたい事。
この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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