【知識】なぜ、讃岐うどんは独特の食感なのか。
日本全国には色々なご当地うどんがあります。
そんな、ご当地うどんの中でも認知度の高さとインパクトのある「讃岐うどん」。
人気の理由は独特の食感=コシが大きな要因ではないでしょうか。
※下記書籍を参考に記事にさせて頂きました。
書籍名:おいしさの科学辞典
発行日:2003年6月10日発行
発行者:朝野邦造
発行所:株式会社 朝倉書店
【知識】なぜ、讃岐うどんは独特の食感なのか。
ーー讃岐うどんの独特の食感の要因は作り方にあるようです。
※書籍「おいしさの科学辞典」では、以下のように書かれています。
①多加水で十分な混捏(こんねつ)…十分な水分で小麦粉と混同させる
②生地あるいはめん帯での熟成…うどん生地の熟成
③圧延が多方向…手打のみとなりますが、足で踏んだり、手で捏ねたりする際に機械と違い、生地に逃げ場があるため、多方向に伸びやすい
書籍で書かれておりました上記3つを簡単にまとめていきます。
ーー讃岐うどんは多加水。
加水とは原料に加える水分量のことです。うどんの場合「加水率」高めの麺といわれます。
※加水率は小麦粉の量に対しての水の量を指します。
手打の讃岐うどんの加水率は概ね50%だそうです。他の麺類の加水率はラーメンは40%以下、パスタは50%前後でそうめんは45%以上が一般的だそうですね(※諸説あり)。博多ラーメンのような硬めの麺は加水率が低めになるのではないでしょうか。
→高松市内の人気讃岐うどん店「清水屋」さんをご紹介。人気メニューやうどんのこだわりについてお聞きしました。
ーー十分な混捏(こんねつ)。
読んで字のごとく、しっかりと混ぜることです。
かなり、スピーディーに小麦粉に水分を浸透させるイメージでしょうか。ここでだまになったり、均一に小麦粉と水が混ざらないと、讃岐うどんのコシは生まれません。
ーー麵の熟成。
取材時に讃岐うどん店主さんにうどんの熟成時間を聞きますと色々です。
小麦粉を休ませることで、生地が熟成されます。さらに熟成することで、生地に粘りやノビが出てきます。
一連の工程から、時間を置くことで讃岐うどん独特の食感が誕生します。讃岐うどん店主さんたちはこれを手作業や機械等で上手に調整されているわけですね。
→セルフうどん店「たも屋 本店」のうどんの麺線の美しさの秘密に迫ります。
ーー圧延が多方向である。
手打ちでつくる讃岐うどんでの重要な工程は「踏み」。
「踏み」が大事という店主さんが非常に多かったです。機械で生地に外圧で力を加えるのは、一般的にはローラーが多いと思います。ローラーで力を加える場合はローラーには空間の遊び(隙間)がないため、生地に逃げ場がありません。
一方、足で踏んだり、手で揉んだりする際に生地に力を加えると、加えた力が多方向に逃げます。これは強すぎてもダメなようで、本当に微妙な調整が必要だそうです。
これが讃岐うどんのコシの源である「グルテン」を形成し、コシを生み出しています。
●まとめ
うどんの書籍や名人と言われる職人さんのお話をまとめますと、上記のような一連の工程が讃岐うどんが独特の食感を生む秘訣といえます。
特に「踏む」ことで、生地を鍛えあげることと、手で延ばす際の微妙な力加減がポイントですね。生地に外から力を加えることで、網目状のグルテンという組織が形成されます。
それが生地内に反発する力(弾力)を生むそうです。「おいしい=コシのある」うどんの特徴はうどんの中心部にグルテンが集中します。中心部に密集したグルテンが弾力を生み、コシをつくります。これで讃岐うどんならでは…独特の食感が生まれることとなります。
偶然か必然か…、讃岐うどんは奥が深いですね!
この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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