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讃岐うどん CLAPクラップ

うどん打ちの素人が簡単に振り返る「讃岐うどん」の打ち方。

2018.07.25

讃岐うどんづくりは店主さんの感覚や経験が重要です。

取材時に伺った店主さんのこだわりを思い出しながら、素人がうどんづくりの工程をおさらいしていきます。

 

 

うどん打ちの素人が簡単に振り返る「讃岐うどん」の打ち方。

取材時に店主さんから聞きかじったことや複数の書籍等を都合よく、まとめています。

広い心で見て頂ければ幸いです(笑)。



 

 

塩水づくり~塩加減は難しい~

小麦粉に塩水を加えることで、グルテン(タンパク質)を刺激し、弾力ある麺になります。

最初の工程で素人と職人さんとの分岐点があらわれます。

塩水の塩分濃度ですね。

塩の目安は小麦粉100とした際、春秋は5%。

これが一般的な基準となるようです。

夏は気持ち多め、冬は気持ち少なめというイメージでしょうか。

いきなり、職人の研ぎ澄まされた感覚が必要になります。

その日の湿度や気温、小麦粉の状態を加味されるそうです。

さらに塩の選択もあります。天然塩だと風味にも影響があるようです。

当然、入れすぎると美味しくなりません。

 

 

加水~混ぜ加減は間違えられない~

小麦粉と塩水をまんべんなく混ぜる。

その日の天候や粉の種類を考慮します。初心者でよくあるのが一度に塩水を入れすぎて柔らかくなりすぎて…ゲームオーバーです(笑)。

※小麦粉の品種選定から塩水づくりに加水。いきなり、経験と感覚がものを言う難易度の高さ!

 

 

手合わせ~うどんの喉越しを決める数分間~

小麦粉と塩水をそぼろにする作業です。

小麦粉の種類にもよりますが、小麦粉の色が白色から黄色になれば完成の合図です。

この工程がいまいちですと、のど越しの悪いザラザラとしたうどんとなるようです。

ちなみに手合わせでミスして修正するのはかなり難しいようです。

 

まとめ~玉にする~

難易度の高い手合わせを終えると、次は粉を玉にします。そぼろ状のちいさな固まりを丸い玉状態に。小手先でまとめるのではなく、体の全体重をしっかりとかけます。

 

 

足踏み~讃岐うどんのコシを生み出す~

手で揉むよりも力が入るため、足踏みします。

グルテンを網状にして、はじめて弾力あるコシの強いうどんが出来ます。

踵からつま先でリズミカルに。3回繰り返し、4回目は軽めに踏む。取材時には製麺所系の店主さんは口をそろえて、足踏みが一番大事とおっしゃってました。

※坂出市にある「山下うどん店」さんの足踏み。あえて中心部分は力をいれない踏み方をされています。ちなみにこれは2回目の足踏みですので、一回目とは意味合いも異なります。

 

 

2回目のまとめ~生地が熟成する前に丸くまとめる~

足踏みで鍛えられた生地を熟成が進む前に丸くまとめます。

なぜかと言いますと、丸めた方が生地の熟成がゆっくりとさらに満遍なく進そうです。

このあたりも諸説あり、店主さん次第になるようですが。

点心師のような技術も必要な讃岐うどんづくり。

※写真は「たも屋本店」さんの菊練り(菊揉み)。中心にへそをつくって生地を巻き込むそうです。

 

 

寝かし~熟成時間はお店や季節によります~

きれいに丸められたうどん生地を熟成させます。

熟成させることでモチモチ感と粘りが生まれ、それがコシにつながります。

場所は冷たく暗い場所で保管。熟成時間は数時間~数日と様々でした。

熟成時間は良い悪いではなく、店主さんのイメージするうどん次第で店毎に違います。

当然、その日の温度や生地の状態により、流動的です。うどんづくり…難しすぎますね(笑)。

 

 

足踏みと延し~すかし打ちでより早く~

寝かした生地を取り出し足踏みします。

軽く延ばして平らにします。

その後に延します。

個人的にはうどんづくりの花形の工程ではないでしょうか。

ここでも力を加えず、やさしく延すのか…それとも強く鍛え続けるのか、店主さん毎に様々です。

最終的には店主さんがどんなうどんを目指しているかに集約されます。

讃岐うどんはすかし打ちと言って、スピーディかつ力強く打つことが一般的です。

この手間暇と選択肢の多さ…恐るべし、讃岐うどん!

※神の手と言われた「たむら」さん。流れるような速さでうどんを打たれています。

※高松市内「つるや」さんではお店の席数や効率も考えて、通常より倍近い大きさの生地を延ばします。

※すかし打ちといえば、「もり家」さん。森田社長はロジカルにうどんづくりに邁進されています。

 

 

たたみ

延ばした生地をまな板のうえでおりたたむことです。

この後の工程で麺を切ります。従って、麺切りには最適なたたみ方が求められるようです。

幅は10㎝程度で3~5段位にするお店が多かったです。

※高松市「清水屋」さん。店主清水さんは本当に丁寧で綺麗なうどんづくりをされていました。

※こちらは丸亀市「山とも」さん。かなりの細麺のお店ですが、見事な手さばきでした。



 

 

茹でる~茹で時間は気温と麺の状態で違う~

うどんを茹でる工程です。

茹で過ぎたり、時間が短かったりしますとゲームオーバーです。

取り返しがつきません。

最後の最後にも、うどんづくりはトラップが待ち受けていますね(笑)。

一体、いくつトラップを潜り抜ければ、おいしいうどんが出来るのでしょうか(笑)。

あらためて、職人さんの凄さが痛感できます。

※茹でる際は大きな鉄製の丸釜を使われているお店がほとんどでした。水の対流と熱伝導率も良いのが理由です。

 

 

筆者のまとめ

讃岐うどんを作る為にはこれだけの工程をミスなく、一日毎に最良の判断と技術が必要です。

何と言いましても職人さんの凄さを感じます。

当たり前に食べている讃岐うどん…これが一杯250円前後で楽しめる香川県は本当に幸せです。

 

 

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この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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