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高松市円座町「宮武うどん」~伝説と呼ばれたうどん作りを取材~

2018.08.31

高松市円座にあります「宮武うどん」さんを取材。琴平の名店「宮武うどん」さんが高松で2011年に見事に復活しました。伝統あるうどんづくりについて、たっぷりとお話し頂けました。

高松市円座町「宮武うどん」~伝説と呼ばれたうどん作りを取材~

ーーうどんづくりのこだわり。

うどんづくりの工程はすべて大事です。

どこかの工程で一度でも失敗すると、うどんはダメになりますから。小麦粉は不純物のないASW(オーストラリア産)です。日々状態も違いますので、毎日の気温や湿度も見極めながら打ちますね。

しいて言ますと、大切なことは水加減ではないでしょうか。もちろん、うどんづくりの工程全体で調整しながら「宮武のうどん」をつくりますが、水加減がうどんにあたえる影響が一番大きいと思います。

機械を一切使わずに手作業でつくる、うどんづくりというのは空気を含みやすくなりますから尚更ではないでしょうか。

※「宮武うどん」さんは高松自動車道西ICの出入口を降りて、車で30秒のところにあります。

ーー讃岐うどんマニアも納得の味

毎日来て下さるような方もいて、本当に有難いですよね。とにかく伝説とまで言われたお店を引き継ぎますから、半端な気持ちでは出来ないプレッシャーもありました。

※宮武うどんさんといえば「ちぢれ」と「ねじれ」。熱狂的なファンも多く、讃岐うどんファンを魅了し続けけます。

※讃岐うどんづくりの基本通りに「菊練り」したうどんを1日熟成。

※中心から外側に向かって丁寧に踏み鍛える。純手打ちのうどんづくりに手抜きはありません。



ーー宮武うどんといえば独特の「ちぢれ」。

「ちぢれ」の要因は麺切りの際にカッターを使わずに専用の手包丁で切ります。切る時に力加減は均一のつもりでも、実際は1回1回の力加減が微妙に違います。人間がすることですからね。

また、正方形にのばして、うどんを切ることで長さも不揃いになります。それがうどんの「ちぢれ」の要因ではないでしょうかね。

※延ばす際はうどん生地の状態を見て、力加減も毎回変えるそう。すかし打ちで鍛えるように打ちますが、その日の生地のコンデション次第だそうです。

※力をグッグッと入れて、うどん生地の弾力を確認しながら打つ感じです。

※均一な厚みできれいな正方形に。正方形に延ばすことで不揃いな長さとなり、宮武のうどんが生まれます。

※現在は讃岐うどん店の多くは麺切りカッターを使っていますが、宮武さんは手包丁で切ります。包丁の手入れも欠かせないそうです。

※手切りで切ったうどんです。美しいですね!ポイントは不揃いであること。宮武うどんさんはあくまで讃岐の「家庭的なうどん」をつくり続けます。

※手切りが終わった後のうどんです。すでに「ちぢれ」が確認出来ます。正真正銘の純手打ちならではの「ちぢれ」です。

ーー「ちぢれ」と「ねじれ」が宮武うどんの代名詞。

「ねじれ」はうどんを釜で茹で上げる時に棒でかき混ぜた副産物ですね。

「ちぢれ」のある不揃いのうどんを釜の中のお湯の対流に合わせてと棒で混ぜあげると、絡みつきます。これが「ねじれ」の要因と思いますけど、科学的にはわかりません(笑)。

※朝イチで取材させて頂きましたが、常にお客様が来店している状態。それでも店長の谷本さんにはわかりやすく丁寧に取材対応して頂けました。

※丁寧に玉取りされた宮武さんのうどん。見事な「ちぢれ」と「ねじれ」が確認できます。

※出汁の主体は昆布。北海道の利尻島産の最高級の昆布を惜しげもなく使い、伊吹島産のいりこと合わせ節でバランスを取られているそう。

ーー宮武うどんの楽しみ方。

やはり、すべて手作業でつくるうどんだということに尽きます。今の時代、機械の精度もあがっていますから、機械でつくるうどんはとても綺麗です。

ですが、当店に来て頂いたからには昔ながらの純手打ちを楽しんでいただきたいですね。

「ちぢれ」や「ねじれ」、コシ等色々と楽しんで頂きたいところはありますが、機械との大きな違いはうどんに「空気」が含まれていることです。機械と手作業でつくる、決定的な差は「空気」です。

握り寿司を思い出してもらえればわかりやすいかと思います。職人が握る寿司のシャリは適度に空間があり、口にいれると、ほどけますよね…あの感じです。

当店のうどんは「ちじれ」や「ねじれ」のことを言われますが、意外に柔らかく、独特の弾力とコシがあります。機械ではどうしても出せないうどんが当店のような、手作りの「昔の家庭のうどん」にはあると思います。

もちろん、機械でつくるうどんは綺麗で整っています、ですがウチはそこを目指していません。当店のうどんはあくまで、昔の家庭料理のひとつである讃岐うどんであるべきと思っていますから。

※一番人気のひやあつ(冷たいうどんに熱い出汁をかけたうどん)。ご覧の通りの不揃いな長さに「ちぢれ」と「ねじれ」が見えます。

※箸で取ると、うどん自体がねじれて、戻ろうとする力が働きます。讃岐うどんの力強さを感じます。

ーー県内でも包丁切りでうどんを切るお店は少ない。

香川県内でも10店舗くらいではないでしょうか。先代の使っていた、まな板も入り口に展示しています。そちらのまな板を見て頂きますと、まな板の中心部からほぼ均等にえぐれて、すり減っています。

当店で使用しているまな板も同じ銀杏(いちょう)の木で作っていますが、比較すると、すり減り方が均等ではないんです。自分も含めて、これまでいろいろな修業に来た弟子が麺切りしていましたがやや左手付近が深くすり減ってます。

麺切りの終盤に力むことが多く、力の入れ方が均等ではないと言えますね(笑)。

※先代が使っていたまな板。見事に均等にすり減っています。見ているだけでも吸い込まれそうになります。

※宮武うどんさんのまな板です。気持ち左手の減り方が多いような気がします。手切りは人間のすることですから、当然ですね。多くのお弟子さんを輩出されて歴史を感じます。

ーー機械を使用しない、本当の昔ながらの手作りの讃岐うどん。

そうですね。機械でつくるうどんが良い悪いということではありません(笑)。

当店のうどんは不揃いで弾力がある、そして、ちぢれとねじれを楽しんでいただければと思いますね。手作業で作るうどんは機械でつくるよりも空気を含みます。

空気を含んだうどんは独特の弾力とうどん自体にほのかに甘みが感じられます。特に「しょうゆ」で召し上がっていただくとうどん自体の甘みをより感じて頂けると思います。

※この「ちじれ」と「ねじれ」。是非、お店で実食にてご体験ください。

※しょうゆをかけて、しっかりと混ぜて頂きました。甘みと独特の弾力は純手打ちならではです。

※もともと和食の料理人だった、谷本さんがつくる繊細で丁寧な天ぷらも人気です。

ーーお忙しいところ、ありがとうございました。

いえいえ。こちらこそ、ありがとうございます。

宮武うどん
住所 〒761-8044 香川県高松市円座町340-1
電話番号 087-886-0939
営業時間 9:30~15:00 (麺がなくなり次第終了します) ※休みは水曜日
公式サイト http://www.miyatakeudon.com/

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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