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高松市林町「手打うどん 三徳」~讃岐うどんの一期一会を大切に~

2021.08.06

高松市林町にある人気店「手打うどん 三徳(さんとく)」の店主岡田さんを取材。

うどんづくりや讃岐うどん店としての哲学、開業からこれまでのお話等々、たっぷりとお伺い出来ました。名物「山かけ鉄火しょうゆうどん」のお話もあります。

高松市林町「手打うどん 三徳」~讃岐うどんの一期一会を大切に~

ーーうどん屋開業まで。

以前はサラリーマンでしてね。

主にマグロを販売する会社に勤務しておりました。もう30年近く前ですね(笑)。

会社員当時は、自分の好きにやらせて頂けましてね。楽しかったですよ。

その頃から、漠然とですが自分でイチから商売をやってみたいという気持ちが芽生えていました。

前職の会社員時代に商売の基本や考え、人との関わり方や義理人情に評判等…。

そういう

「人としてちゃんとする」

ことが大切であることに、気づかせてもらえたことを、今でも本当に感謝しています。

※写真は香川県の讃岐うどん店「三徳」の岡田社長です。

※「人のご縁は大事です。」と笑顔で優しくお話頂いた三徳の岡田代表。

 



 

 

ーー修行経験ゼロのうどん屋開業。

私が三徳を開業する際は、どちらかのお店でうどんの修行したり、訓練したりという経験はありません。

今思うと、良くやってこれたなと思います(笑)。

会社員時代に可愛がって頂いた、食品関連の企業様のところで約1ケ月間、うどんを独学で学ぶことが出来ました。材料や設備は、その企業様がご厚意でご用意してくださり、

「好きにうどんをつくりなさい」

とご支援頂きました。そちらの社長様や従業員の方に作ったうどんを食べて頂いて、アドバイスやご指摘をしてもらう…。そして、自分で改善して、またうどんを食べて貰って、アドバイスを頂く。

これを1ケ月間やり続けまして、ようやく自分のうどんづくりの基礎が出来たように思います。

その合間をぬって、店舗の厨房機器や什器等も自分で手配しました。今、振り返りますと一番人生で集中した、濃い時間だったように思います。

※写真は香川県の讃岐うどん店「三徳」の岡田社長です。

※岡田代表は現在は茹で作業や仕上げにオペレーション全体周りをみています。

 

 

 

ーー大切なことは「お客様ファースト」。

ウチはお店の広告やPRにお金を使ったことがありません。

広告費にお金を使うのであれば、そのお金をお客様に還元するべきだという考えでずっとやっています。

肉や油を取りましても、お客様には少しでも良い食材を食べて頂いた方が絶対良いですよね。その気持ちや姿勢はお客様にも、必ず伝わりますし、一番の広告はお客様の口コミです。美味しいうどんを提供出来ていれば、お客様も友人や家族に

「三徳のうどんは美味しいよ」

と仰って頂けるはずですから。

結局は回りまわって、自分自身に返ってきます。そういう小さな積み重ねが、お客様との絆や信用に繋がると思ってやってきました。

※写真は香川県の讃岐うどん店「三徳」の岡田社長です。

※うどんの茹で具合や食材などは、今でも岡田代表が必ず確認します。

 

 

 

ーー三徳さんのうどんづくり。

お客様に出来るだけ、出来立てのうどんを提供することです。

「美味しいものは美味しい時に出す」

これが基本ですね。

小麦粉はさぬきの夢とASWをブレンドしています。実は小麦粉の銘柄や配合は開業してから、かなり変えています。過去に確立した作り方や配合が最高のうどんとは限りませんから。

毎日、自分のうどんを自分の体で確認して、こうすればもっと美味しくなる…お客様にも喜んで頂けると言う思いは開業から変わりません。この年齢でも日々、進歩出来ることを探しています。

当店は玉買いしてくださるお客様も非常に多いんですよ。

うどん玉を買ってくださったお客様は、三徳のお店で食べるうどんをイメージして買って帰って頂いています。

ですので、一日置いてもしっかりとした弾力を感じる、うどんであることを大切にしています。一日置いて、お客様が食べてガッカリするようなうどんは出したくないし、出せませんよ。

職人視点で言いますと、翌日食べても美味しいうどんはきちんと作れていると言えるのではないでしょうか。

※写真は香川県の讃岐うどん店「三徳」の岡田社長です。

※玉取りで毎日のうどんのコンディションを確認されるのが日課だそうです。

 

 

 

ーー名物「山かけ鉄火しょうゆうどん」。

うどん屋の前職がまぐろの卸売り販売をしておりましたので、まぐろにはうるさいですよ(笑)。

まぐろは大阪の市場から仕入れていますし、食材の仕入れは吟味しています。

まず、自分が食べて美味しいのはもちろん、その業者さんの人柄や姿勢をみて、長くお付き合いしたいと思える先を選んでいます。

よくある「安ければ良し」ではありません。

価格が高いには、高いなりの理由がありますから、しっかりと自分の舌で判断したものをお客様にお出ししていかなえればいけませんね。

「山かけ鉄火しょうゆうどん」は当店の一番人気メニューです。

三徳と言えば、「これ」という定番と言いますか…名物のように仰ってくださり、本当に嬉しい限りです。

自身を持ってオススメ出来るまぐろと国産山芋を使った、とろろ。そして、当店のうどんを一度に楽しんで頂けると思います。まぐろととろろの相性はもちろん、当店のうどんの美味しさが際立つメニューです。

※写真は三徳さんの「山かけ鉄火しょうゆうどん」です。

※三徳さん名物「山かけ鉄火しょうゆうどん」はぜひ、実食で。

※写真は三徳さんの「山かけ鉄火しょうゆうどん」です。

※大阪の市場から仕入れる、まぐろは文句なしの美味しさ。

※写真は三徳さんの「山かけ鉄火しょうゆうどん」です。

※しっかり混ぜると、三徳さんのエッジの効いた正統派讃岐うどんが目に見えます。

 

 

 

ーー開業から軌道に乗るまで。

うどん屋での修行経験はなかったのですが、経営は概ね順調でした。

銀行さんのお世話になることもなく、自己資本のみでやってこれました。お客様はじめ、働いてくれてるスタッフのみんな、手伝ってくれている息子にも感謝しかありません。

自分のモットーはとにかく笑顔です。

営業中でも、スタッフ全員でニコニコしていたいじゃないですか。楽しく仕事することが一番です。お客様も、いくら美味しいうどんでも、ピリピリした緊張感のある店内では食べたくないですよ。

ですので、私はほとんど、怒ったことはありませんよ(笑)。

只、息子にはうどんのことを懇切丁寧に教えることはしていません。

古い考えかも知れませんが、技術は自分の意思で覚えるものです。

手取り足取りして覚えた技術は、自分のものにはなりません。自分自身が本気で取り組んで壁にぶつかり、必死で考えて、創意工夫することで、はじめて自分のものになります。

※写真は三徳さんのうどんづくりです。

※うどんに人柄は現れる。岡田代表の勤勉で実直、真面目さを感じる素直なうどん。

※写真は三徳さんのうどんづくりです。

※毎日の仕込みは息子さんが担当。親子で作り出す正統派讃岐うどんが三徳さんの強みです。

 



 

 

ーーうどん屋で大切なこと。

お客様に喜んで頂きたい気持ちや笑顔等は飲食店として、基本的なことですから。

うどん屋として、お客様を飽きさせないことが大切なことではないかと思います。

香川県内の方は毎日うどんを食べる方が多く、うどん屋さんの店舗数も多いですね。メニュー数が「かけうどん」や「ぶっかけうどん」の基本メニューだけでは、どんなに美味しくても飽きちゃいますね。

なので、常時30種近いメニューを用意して、毎日来てくださっても一ケ月かかる(笑)。そんなお店の方が楽しいのかなと思います。

新メニューを考案する時は、この年齢になっても色々と調べたり、勉強したりしますので、まだまだ成長出来ます。

どうやれば、このメニューは美味しくなるか、支持されるようになるのか…。真剣に考えることが、山ほど出てきますので。それも楽しいものです。

※写真は三徳さんのうどんづくりです。

※お客様を飽きさせない工夫と食材へのこだわり。これが三徳さんの真骨頂です。使用する牛肉も国産牛。

写真は三徳さんのうどんづくりです。

※最高に美味しいタイミングで出すことが、お客様への最大の敬意でもあるそう。

 

 

 

ーー人気メニュー「肉ぶっかけ」。

男性のお客様から人気なのが「肉ぶっかけ」です。

当店はご注文頂いてから、牛肉を調理します。昔から、国産牛しか使っておりませんのでお客様の口コミで人気メニューになりました。

甘辛いぶっかけ出汁と国産牛に当店のうどんはどなたでも好きな味だと思います。

はじめてのお客様は「肉ぶっかけ」か「山かけ鉄火しょうゆ」がオススメですよ。

※写真は三徳さんの「肉ぶっかけうどん」です。

※男性から絶大な支持。国産牛を使った「肉ぶっかけうどん」です。

※写真は※写真は三徳さんの「肉ぶっかけうどん」です。

※注文が入ってから牛肉を調理します。国産牛の美味しさがより味わえます。

 



 

ーー「三徳」の由来。

とある近しい方から、店名は「サントク」が良いのではと勧められました。せっかく、勧めて頂いたお名前ですから、「サントク」で行こうと決めました。

名前の文字は画数も考慮して、その道の先生につけて頂きました。

「三徳」の持つ意味は簡単に言いますと、業績面で伸びだしたら、とことん伸びていく。長く、後世や子孫にも余徳を残せることを信じて、毎日の一日一日をより良いものにすることが出来る名前だそうです(笑)。

毎日の地道な継続と周囲の感謝やご縁を忘れないようにしています。

※写真は三徳さんの外観です。

※岡田代表のイラストは多くのお客様を安心させ「似すぎ」との声も多数。

 

 

 

ーー大切にしている人とのご縁。

今の自分があるのも、お客様はもちろん、これまで色々と助けて頂いた方々がいらっしゃたからですから。ご縁は大切です。

私はお弟子さんを基本的に取らないのですが、以前

「うどんを教えてください」

私にうどんづくりを志願される来る方も何名かいらっしゃいましてね。

もちろん、出来ない時はお断りしますが、自分が必要とされていて本気なら…という条件で引き受けたこともあります。自分の人生を振り返ると、そういう出来事も良い思い出です。

その方々とは、現在でも交流がありますし、面白いのは教えた方のお弟子さんが、突然お店に来られまして、私のことを

「大師匠。はじめまして」

と丁寧に挨拶に来てくれたりしています。

突然なので、わたしも驚きますが本当に嬉しいものですね。みんな、元気に遠方でも頑張っている…。そういうお話を聞けるだけで、自分もまだまだ現役で頑張ろうと思えます。

自分も施しを受けたように、自分も恩返しする。結局は回り回って、自分に返ってくる、そんな風に思います。

※写真は三徳さんの岡田さんです。

※長時間の取材も快く、笑顔でご対応頂いた岡田代表。ありがとうございました。

 

 

 

ーー最後に一言。

肩肘はるようなお店では、ありませんので気楽に来てください。

手打うどん 三徳
住所 〒761-0301 香川県高松市林町390-1
電話番号 087-888-2368
営業時間 11:00~16:00 ※休みは木曜日(変更の予定あり。詳細は公式HPをご確認ください)
公式サイト https://www.santoku-udon.com/

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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