ーー上野さんのうどんづくりのこだわりは。

毎日来て頂ける常連さんにも飽きられないように、「シンプルでベーシックなうどんづくり」を心がけています。

ざっくりしておりますが。当店のような立地ですと「よし、上野製麺所へ食べに行こう。」と来てもらう動機が必要になりますからね。立地の悪い讃岐うどん店には大切なことです。

※「一言、二言でもお客さんとのコミュニケーションを大切にしています。」と上野さん。

→立地の悪さを物ともしない人気店「上野製麺所」。店主上野さんがつくる讃岐うどんが人気の理由。

ーー上野製麺所の「しっぽくうどん」。

元々「しっぽく」は香川の郷土料理として親しまれています。

県内では、ずいぶん前から、讃岐うどん「冬の定番メニュー」として、年を追うごとに需要が高まっています。県内のうどんファンの方も食べ比べして、楽しまれていますね。同じメニューでもどの店も個性が出ているのが面白いのではないでしょうか。

※しっぽくうどんは、かけやしょうゆ等の定番とは違う、季節メニューならではのプレッシャーがあるそうです。

ーー上野さんの「しっぽくうどん」のこだわり。

こだわりと言うと、大袈裟ですが…。

使用する食材を可能な限り、香川県産を使うようにしています。大根、金時人参、ごぼう、里芋（セレベス）、椎茸、油揚げ、親鳥(カシワ)、の全部で7種類ですね。野菜の旨味とカシワの旨味が交わっています。

しっぽく用の出汁もかけうどんの出汁をベースにしており、昆布、うるめ鰯や鯖とメジカの4種を順番で出汁を取っています。すべての基礎は讃岐うどんのかけ出汁ですね。

※常連さんも待ち望む上野さんの「しっぽくうどん」。彩りも鮮やかで野菜もたっぷりですね!

ーー香川県民にとっての「しっぽくうどん」。

寒い季節になると、アツアツのしっぽくうどんを皆さん、汗をかきながら召し上がる…いいですよね。それに普段、生活していると、野菜不足になりがちになります。

しっぽくうどんは野菜たっぷりですから、栄養満点で腹持ちも良い。当たり前かもしれませんが、地元の讃岐うどんファンからも支持があるんだと思いますね。

それにどの店の「しっぽく」も美味しいですからね!

※可能な限り地元産食材を使用されている上野さんの「しっぽく」。人参も金時人参を使用しています。(仕入れや時期により変更有)

ーーうどん県の冬と言えば「しっぽく」。

どちらの讃岐うどん店さんも、そうだと思いますが。

10月～11月にかけて、常連さんから「しっぽくはいつから？」と聞かれますよね。このやりとりがはじまると冬が来たなと感じますね(笑)。うどん屋からすれば、そんな感じで冬の風物詩みたいなものでしょうかね。お客さんに急かされて、作りはじめると気温も寒くなっている印象です。

※しっぽくの準備を考え出すと1年も終わりだなと感じるそうです。

ーー上野さんのやさしい気遣い「半玉メニュー」。

各メニューを半玉でお出しすることも可能です。

週末ともなりますと、香川県内の讃岐うどん店の食べ歩きに来られるお客様が多くなります。当店が何店目かになることがあり、食べ残しをされる方もいらっしゃいます。お腹一杯だけど、わざわざ来てくれたのかな…と思いますと、半玉でも味わっていただけると嬉しいですよね。

※「何よりもお客様ファーストです。」とにこやかに話す上野さん。

ーー讃岐うどん店を続けること。

おかげさまで毎日来て下さるお客様も多く、本当に感謝しています。常連さんが駐車場に着いた瞬間、今日は何を召し上がるのだろうかと想像しながら、お顔を見てすぐに提供できるように準備をしています。

「美味しい」と評判の讃岐うどん店が数多あるなかで、立地の面では便利とは言い難い当店を選んでくださり、感謝の気持ちでいっぱいなんです。

※毎日食べても飽きの来ない上野さんのうどんは、地元密着型の讃岐うどん店です。

※「美味しいのはもちろん、いかに安く提供できるかが讃岐のうどん屋です。」と上野さんの魂のこもったうどんを是非。

ーーうどん屋としてのやりがい。

もともとはうどん屋さんと縁遠い職業に就いていましてね。

趣味の範囲で始めたうどんづくりにはまり、最初は自分一人でつくるうどんの量もわずかでした。食べてくれた人たちに喜んでいただけたことが、自分のやりがいにつながっていきましたね。

※冬限定の「しっぽくうどん」。店主上野さんとの会話も楽しみながら、お召し上がりください。

ーー最後に。

はじめての方にはハードルの高い場所だと思います(笑)。

毎日、一生懸命うどんをつくっておりますので。お気軽にお立ち寄りくださいね。もちろん、寒い時期はしっぽくがオススメです!

※生活の一部にも、うどん巡りにお気軽にお立ち寄りください。