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香川県産小麦「さぬきの夢」に迫る〜「さぬき麺業」香川社長によるうどん教室開催〜

2021.11.29

県産小麦「さぬきの夢」を使った、讃岐うどんづくりの伝統的な製麺技術を小学生に伝承するためのうどん教室が開催されました。

今回は、2021年11月24日(水)に善通寺市立中央小学校で、「さぬき麺業」香川社長をはじめスタッフの方々と、善通寺市立中央小学校の生徒さん、香川県の県産品振興課と農業生産流通課の方々も参加されました。

香川県産小麦「さぬきの夢」の特徴とうどん教室の風景をご紹介します。

 

香川県産小麦「さぬきの夢」に迫る〜「さぬき麺業」香川社長によるうどん教室開催〜

ーー県産小麦「さぬきの夢」。

「さぬきの夢」は香川県発のうどん食のために生まれた香川県産小麦品種の総評です。

うどん県である、香川県の讃岐うどん店の多くがASW(オーストラリアン・スタンダードホワイト)と呼ばれる、オーストラリア産の麺食用小麦を使っています。

そんな現状から、県内うどん業界やうどん愛好家たちの

「地元の小麦で讃岐うどんをつくりたい」

という熱い思いから生まれたのが、県産小麦「さぬきの夢」です。

今回は「さぬきの夢」を使った、うどん教室を善通寺市中央小学校で小学生の生徒さん向けに開催されました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※善通寺市立中央小学校の体育館でうどん教室は開催されました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※講師はお馴染みのさぬき麺業の代表取締役社長である香川政明さんです。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※「最初に水と塩と小麦粉をまぜ合わせる作業が一番大切」と何度も小学生たちにご指導されていました香川社長。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※コツは「素早く大きく混ぜること」と香川社長。

 

 

 

ーー香川県はなぜ「うどん県」なのか。

これまでの統計情報によると香川県民は1世帯当たりの「生うどん・そば」年間支出額や1世帯食当たりの「日本そば・うどんの年間支出額、人口当たりの「そば・うどん店舗数」、さらにうどん用小麦粉の使用量でも全国で1位という、文字通りのうどん県なのです(※統計時期等によります)

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※混ぜ合わせた小麦粉。この時点で美味しそうです。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※生徒の皆さんもおいしいうどんを作ろうと、うどんづくりに真剣に取り組みます。

 

 



 

 

 

ーー香川県で讃岐うどんが盛んな理由。

諸説ありますが、香川県でうどんづくりが盛んになった理由は2つです。

〇温暖で雨の少ない気候や香川県の土地が小麦の栽培に適していた

〇昔から醤油と塩の生産も盛ん、出汁につかうイリコ(カタクチイワシ)も良く獲れた

というのが代表的な理由だそうです。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※今回のうどん教室は分量も少ないので、踏まずに手で押して、うどんを鍛えることに。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※生徒さんも自分でつくった生地をビニール袋で押して鍛えることに。

 

 

 

ーー讃岐うどんの歴史。

こちらも諸説ありますが、讃岐うどんは1,200年前に弘法大師様が当時の中国から持ち帰った説があります。

香川県内で讃岐うどんが庶民の食事で親しまれた記録は元禄時代の「金毘羅祭礼図」と呼ばれる屏風絵でうどん屋が描かれている記録があります。

また、農家農村では様々な行事の際に、手作りのうどんを振舞う慣わしも県内で数多く確認されています。

そのような背景から、昭和時代に小さな製麺所が出来はじめ、やがて店内で椅子を並べて食べてもらう、飲食店としての「うどん屋」が増えていきました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※香川社長の菊練りの実演。流れるような手つきは流石でした。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※丸くなった生地は小学生から「団子みたい」という声が多数。見事な出来栄えです。

 

 

 

ーー讃岐うどんと小麦粉。

昭和30年頃の小麦不作により、農家の生産意欲の減退や高度経済成長期であり、作付面積が激減。

そのような背景から、讃岐うどんづくりのための小麦粉の多くが外国産、特にオーストラリア産に頼るようになったそうです。

オーストラリア産小麦全盛の中でも、

「さぬきの粉で讃岐うどんをつくりたい」

「県内小麦のうどんが食べたい」

という声が消費者から聞こえてくるようになりました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※強く押し込んで生地を鍛える小学生の皆さん。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※生地を鍛えた後は「切る」作業に向けて、生地をまとめていきます。

 

 

 

ーー香川県で讃岐うどん用小麦の開発がはじまる。

そこで、1991年から香川県農業試験場で讃岐うどん用小麦の育種と開発がはじまりました。

そして、2000年についに「さぬきの夢2000」が誕生しました。

他の小麦と比較して、大きな特徴があります。

〇うどんの色が黄金色に近く良い

〇小麦特有の食味が優れている

〇食感がモチモチとしている

という長所がありましたが、逆に開発当初では短所もありました。

〇収量性が低い

〇製麺作業性が劣る

〇茹でて時間が経過すると伸びやすい

と開発研究は以降も継続されます。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※さぬき麺業のスタッフの方も生徒さんと一緒にうどんづくり。香川県らしい微笑ましい光景でした。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※こちらは香川社長がつくった生地です。遠目で見ても美しい出来栄え。

 

 

 

ーー「さぬきの夢」ブランド化。

香川県民や観光客に「さぬきの夢」でつくったうどんの美味しさを知ってもらうために「さぬきの夢こだわり店」や「さぬきの夢応援店」という認証制度を設置。

現在、香川県内でも約50店舗が認定されており、「さぬきの夢」を日常生活の中で食べてもらえるようになりました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※茹でる前の「切る」工程。麺切り機でなく、包丁でカットします。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※茹で上がるまでの時間は県庁の方から、「さぬきの夢」や讃岐うどんについて簡単な講義が開かれました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※出来上がったうどん。うどんの上にはピンクの饅頭が1人1個。美味しそうです。

 

 



 

 

 

ーー「さぬきの夢」うどん教室を終えて。

現在、多くの讃岐うどん店がオーストラリア産の小麦を使用されています。

うどんの味や品質の問題もありますが、県産小麦でつくって食べるうどんが地産地消の形に近いと思われます。

小学生という、多感な時期にこのような香川県のことを身近に振り返り、体験できるイベントは今後の讃岐うどん業界にもたくさんの良い影響が出ると信じられます。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※生徒さんの試食風景、美味しそうに食べてますね。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※ピースサイン頂けました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※つくつたうどんの出来栄えも良く、おかわりする子が続出していました。

※写真は「さぬきの夢」うどん教室の風景です。

※手切りならではの不揃いな麺、豊かな小麦の香りに、さぬき麺業さんのお出汁と最高に美味しい一杯でした。

 

 

※今回の記事の「さぬきの夢」部分につきましては、香川県農業生産流通課がつくられた配布資料を参考に記事を作成させて頂きました。

 

 

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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