【知識】讃岐うどんの出汁の「いりこ」について。
讃岐うどんの出汁は「いりこ」を多く使われることが一般的です。
「いりこ」とは「カタクチイワシ」を指します。
「いりこ」を使って、つくられる讃岐うどんの出汁について、スポットをあててみます。
【知識】讃岐うどんの出汁の「いりこ」について。
ーー日本の地域別出汁(だし)素材について。
諸説ありますが、おおまかにまとめますと下記のようになります。
※参所元「本場讃岐うどんのつくり方」71ページより。
北海道…昆布、煮干し
東北地方…煮干し、焼き干
関東地方…鰹枯節、宗田枯節、さば枯節
中部地方…むろあじ節、かつお節、煮干
北陸地方…煮干
近畿地方…うるめいわし節、かつお節、煮干
中国地方…煮干、昆布、かつお節
四国地方…煮干、昆布、かつお節
九州地方…煮干、椎茸、あご
観音寺沖の伊吹島産のいりこが有名ですね。ちなみに伊吹島産は大きさで分類されています。
ーーいりこ出汁の特徴について。
だしの総合メーカーヤマキ㈱さんの「いりこ(カタクチイワシ)」の出汁の特徴です。
①出汁は黄色がかり、旨味が強く、まろやかなコクと甘みがある。
②他のイワシと比較すると、出汁自体は比較的濃い部類に入るそうです。
旨味があるのが特徴で、麺つゆや味噌汁、煮込み料理とそもそも相性は良いようですね。
ーー「カタクチイワシ」について。
背黒系…やや大ぶりで背中側が黒いのが特徴です。
讃岐うどんはいわゆる背黒系で出汁を取る場合が多いようです。
一般的に背黒系は潮の流れがはやいところでとれるそうです。
白口系…見た目も白く、高級な部類に入ります。
さらに一部高級なものは和食や割烹で使われるほどです。
潮の流れの緩やかなところでとれます。
ーーいりこの旨味。
取材時によく店主さんから出汁のこだわりで聞きますのが、臭みを取ることです。
いりこを選ぶ際は、まずは臭みの少ないものを選ぶことが基本となるようです。
仕込みの際、頭やハラワタをとっても、どうしても臭みは残ります。
かつおや昆布で生臭さを和らげる。
そんな使い方をしているお店さんも多かったように思います。
ちなみにいりこの旨味成分はイノシン酸といわれるものだそうです。
イノシン酸は味覚の記憶に残りやすいそうです。
さらに昆布はグルタミン酸という旨味成分です。
旨味の掛け合わせ、相乗効果で美味しさも倍増します。
これが香川県民が毎日、うどんを食べてしまう理由のひとつかもしれませんね(笑)。
ーー筆者のまとめ。
これまで取材時にもうどんのこだわりばかりで、出汁については聞けていなかったことが多く、一から出汁についても勉強していこうと思いました。
どこのお店もこだわりを持って作っていらっしゃいます。
それが1杯250円前後で食べられるというのは改めてすごいと感じました。
ーー関連記事
→JR高松駅から徒歩で行ける伊吹島産いりこ出汁が香るうどん店「讃岐うどん 大久保」をご紹介。
→高松市内「手打ちうどん つるや」の芝エビぶっかけうどんをご紹介。
→昭和34年創業の坂出市「山下うどん店」のうどんづくりを取材させて頂きました。
※下記書籍と讃岐うどん店の店主さんのインタビューを参考にさせて頂きました。
書籍名 手打ちうどんの作り方
発行日 2007年7月10日
著者 蓮見 壽
発行所 株式会社 日東院本社
書籍名 本場さぬきうどんの作り方
発行日 2000年1月18日
監修 香川県生麺事業協同組合
制作者 永瀬 正人
発行者 早嶋 健
発行所 株式会社 旭屋出版
この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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