【取材】讃岐うどんの「塩」に迫ります。入浜式塩田の塩づくりを取材。~その2~
【取材】讃岐うどんの「塩」に迫ります。入浜式塩田の塩づくりを取材。~その2~
【取材】讃岐うどんの原点である「塩」に迫ります。入浜式塩田の塩づくりを取材~その2~
引き続き、取材にご協力頂きましたのは、宇多津町振興財団の安部さんと宇多津町まちづくり課技師の川染さんです。
前回の記事では入浜式塩田の上げ水までの工程について教えて頂きました。
→【取材】讃岐うどんの「塩」に迫ります。入浜式塩田の塩づくりを取材。~その1~
●いよいよ釜屋内(室内)の作業に入るのでしょうか。
その前に濃縮台というものがあります。
ここへ先ほどの上げ水により出来た、塩分を10~13%迄上げたかん水(濃い塩水)を濃縮台に流し、さらに濃くします。
濃縮台には石等が細かく配置されております。
濃縮台にかん水を流すことで塩分19%のかん水が出来ます。そのかん水を釜屋で煮詰めます。
●釜屋内ではどのような作業になるのでしょうか。
「釜炊き」といわれる19%のかん水を煮詰める作業と煮詰めて出来た塩を「塩受け」に入れ、塩受けから「塩床」へ移動して完成となります。
毎日、釜炊きをしているわけでなく、当時のピーク時で年間150日前後の釜屋内での作業だったと記録にあります。
当時は2交代勤務で塩を1日6回取っていたようです。
焚きあげる火力や温度加減も職人の勘です。
焚きあげもいよいよとなりますと、水分が蒸発して、塩が結晶化していきます。
●「にがり」はどういうものでしょうか。
塩を焚いている時に出来る副産物です。
にがりは苦味の成分がありますので塩と分けます。
マグネシウムを含んでいますので少量ですと、体に良いんですよ。
●塩床へ移動した塩のみが出荷できるわけですね。
そうですね。
ここでようやく塩として出荷できるようになります。
いわゆる一般的な食塩と味や風味が違うと思いますよ。
家庭用は後口がピリピリとしますが入浜式でつくる自然塩はまろやかで刺激がなく口当たりが優しいです。
出来たての塩は格別です。
ここでつくられた塩は東京や大阪の一流割烹店や和食店も使って頂いております。
●大変長い時間取材にお付き合い頂き、ありがとうございました。
塩づくりも現在では工場で大量生産されるようになりました。
昔は宇多津の塩づくりに関わる人達にとっては大切な生活の糧でした。
年間150日は塩づくりをして、空いた日は別の仕事をかけ持ってやりくりしていたそうです。
本当に大変なハードワークでしたが、それも現在では大切な歴史資産です。
こちらの塩づくり体験を通じて、しっかりと残していけたらと思います。
入浜式塩田体験学習もお気軽にご参加お問い合わせください。
復元塩田体験学習・うたづ海ホタル | |
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住所 | 香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4番地 |
電話番号 | 0877-49-0860 |
営業時間 | 体験学習について (料金)5人までのグループで1,500円、1人増えるごとにプラス200円 ※1週間前までの要予約制です。(天候により中止になる場合があります) |
公式サイト | http://www.uplaza-utazu.jp/umihotaru/enden/ |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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