
瀬戸内国際芸術祭開催地の「豊島(てしま)」~島内の「棚田」に外国人観光客が殺到するワケ~
- 2019.04.19

瀬戸内海に浮かぶ豊島。面積は14.5平方メートルで人口は約800人の島です。近年は産業廃棄物問題がありましたが、順調に再生が進んでいます。現在は芸術祭の影響もあり、外国人観光客が多数訪れる島です。
瀬戸内国際芸術祭開催地の「豊島(てしま)」~島内の「棚田」に外国人観光客が殺到するワケ~
ーー豊島はフェリーで行くことが出来ます。
香川県の高松港からは写真のような舟が出ています。岡山の宇野港からも、フェリーが出ており、宇野港からは車でのフェリー乗船と島への上陸も可能です(※車の台数には限りがあります)。また、豊島島内にはコンビニはありません。トイレも比較的少ないので、トイレを見かけたら、その場で済ます方が良いです。

※写真は高松港からの高速艇です。乗客人数も限られています。

※フェリー船内の写真。席数に限りがあります。高松港から豊島までフェリーで約50分で着きます。
ーー豊島の人気スポッㇳ「棚田(たなだ)」。
棚田というのは、傾斜地にある農作地のことです。元々、豊島は農業や酪農が大変盛んな島でした。昔は島内の棚田も綺麗に耕作整備され、美しい棚田を見ることが出来ました。しかし、1960年代から島内で過疎化が深刻化します。過疎と高齢化が進むと、棚田の耕作がされなくなり、草木や竹、樹々に覆われてしまいます。

※写真は豊島内の棚田。現在は外国人観光客も多数訪れる人気スポットに。
ーー「棚田プロジェクト」による再生。
過疎化による耕作放棄された豊島の棚田を再生するために立て直すプロジェクトとして、「棚田プロジェクト」がスタート。土庄町や福武財団のスタッフさん、さらには地元の唐櫃棚田保存会の方々が立ち上がります。約1年の年月をかけて、棚田は再生されたそうです。現在は瀬戸内海の島々の絶景スポッㇳとして、外国人観光客も多数訪れるほどの人気の島となりました。

※現在は棚田を散策する方も多数見かけるまでに。特に白人系の外国人観光客が散策する姿が見れます。
ーー棚田の人気の秘密「瀬戸内海のオーシャンビューの絶景」
一番の絶景ポイントは、棚田周辺で撮影できる瀬戸内海のオーシャンビュー。取材時も多くの方が、立ち止まり写真撮影をしていました。棚田を訪れるほとんどの方が、180度広がる瀬戸内海の島々のオーシャンビューをひと目みたいからですね。実際に現地に行ってみると分かりますが、瀬戸内海の海の色や雲の流れ等で時間毎に見せる表情も違います。

※カメラやスマホを景色にあわせて、シャッターを切るだけで撮影可能な「瀬戸内海のオーシャンビュー」。
ーー「棚田」は敷地内散策が出来る。
棚田の敷地内は徒歩で歩いて散策することが可能です。瀬戸内海側を見渡すと、棚田と瀬戸内海のベストマッチ。棚田を実際に歩くと、景色を見るだけでなく、傾斜を実際に感じる体験が「豊島」ならではの、忘れられない思い出に。

※瀬戸内海側を見ると、棚田と瀬戸内海の島々が視界に入ります。

※棚田の傾斜角度によって、棚田の見える表情も違います。
ーー瀬戸内海の島々の中でも屈指のインスタ映え。
取材時に感じましたが、とにかく観光客の方はカメラかスマホで撮影されています。オーシャンビュー以外にも棚田の段々の農地に、それに組み込まれる瀬戸内海の島々。高い建物もなく、ちょうど瀬戸内海を一望出来る標高と棚田独特の風情が支持されているようです。なかには三脚とカメラを持って、本格的に撮影する方もいらっしゃいました。

※季節や時間帯によって、棚田の見せる表情は様々です。
ーー島民の方々の慎ましい生活がイメージで出来る。
実際に白人系の外国人観光客お話しする機会がありました。景色が綺麗なのはもちろんですが、棚田を実際散策することで、島民の方の生活を感じ取りやすいと仰られていました。島民の方々がどういう暮らしをしているかということをイマジネーションすることが、良い刺激になるという言い方をされていました。外国人観光客にとって、棚田は日本人の真面目さや奥ゆかしさを感じやすい物なのかも知れません。

※実際に棚田敷地内を散策することで、島民の方々の生活や真面目でおおらかな人間性が感じられます。
ーー棚田の人気の秘密「豊島美術館から徒歩1分」。
豊島の棚田の風景は豊島美術館の目の前、徒歩1分の場所にあります。芸術祭では多くの方が美術館巡りやアートスポットに興味があります。豊島島内にはタクシーはほとんどなく、島内の移動は基本的に徒歩か自転車。豊島美術館とセットで楽しめることが人気の要因かも知れません。ちなみに島内を徒歩で歩くとかなりの距離です。

※写真は「豊島美術館」。観光客の方のほとんどが電動アシスト付き自転車で来館されます。

※自転車は豊島港のすぐ目の前のレンタサイクルで借りることが可能です。
ーー瀬戸内国際芸術祭開催地の中でも有数の人気。
豊島は豊島美術館やアートスポットが多数あるので、瀬戸芸開催地の中でも人気のある島です。さらに、ここでしか見られない自然やのどかな風景を楽しむことが出来ます。

※昔は酪農業が盛んであった名残も島内ではちらちら確認出来ます。
ーー食の発信地でもある豊島。
豊島島内では色々なレストランが開業しています。どれも特徴があり、瀬戸内海の食材を提供しているお店がほとんどです。「アート」と並行して「食」をたっぷりと楽しめることが、豊島が人気のある秘密かも知れませんね。

※「棚田」は見る角度によって、いろいろな表情を楽しむことが出来ます。
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豊島 | |
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住所 | 〒761-4661 香川県小豆郡土庄町豊島家浦3841-21 |
公式サイト | https://teshima-navi.jp/ |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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