
丸亀市綾歌町「麦香 BAKUKA UDON」~小麦の香りを追求した店主市坂さんの香りのイズムが出来るまで~

店名のとおり麦の香りが楽しめる、丸亀市綾歌町にある讃岐うどん店「麦香」。
店主市坂さんに香りにこだわる、きっかけやうどんづくりについて取材しました。
丸亀市綾歌町「麦香 BAKUKA UDON」~小麦の香りを追求した店主市坂さんの香りのイズムが出来るまで~
ーー店名の由来でもある小麦と香りのこだわり。
元々、香川県の製麺会社で長らく働いておりました。製麺会社で働く際に色々な小麦粉を見たり、触れたりする機会が多かったと思います。
もしも、自分がうどん屋を開業するなら、麺の材料である小麦粉は自分が納得できるものを使いたいと思っていました。小麦粉ひとつで、完成するうどんの出来映えの違いに驚きました。当時から、小麦粉の鼻から抜けていく上品な香りが好きでしたね。

※「麦香」さんの「かけうどん」。「麦香」さんは、お客様の注文を聴いてから、茹でる一般店です。
ーー苦手だった!?讃岐うどん。
自分が小豆島出身で島育ちでしたから、香川県本土の人より、讃岐うどんが生活に密着していませんでした。
それに本音を言いますと、コシのある太い讃岐うどんは苦手だったかも知れません(笑)。製麺会社を退職し、開業前に小麦粉を探している時に改めて、自分は小麦粉の香りが好きなんだと感じました。ほとんどの讃岐うどん店さんはコシや弾力にこだわられていると思います。
自分はコシはもちろんですが、香りの良い讃岐うどんを作りたい…と思うようになったのを覚えています。

※お客様の注文を聞いてから、1日寝かせたうどんを茹で始めます。ボックスを開けた瞬間に小麦の上品な香りが漂います。
ーー小麦粉が決まるまで。
開業前はとにかく、日本各地の小麦を取り寄せては試作試食の繰り返しでした。
その中で、一番好きだった小麦が北海道産の「キタホナミ」です。香りが抜群に良いことに食感と味、それに品質が安定していることが決め手でした。「キタホナミ」と地元の香川県産小麦「さぬきのゆめ2009」をブレンドしたいと思って、お互いの小麦の良いところを最大限に引き出すように配合比率を考え抜きました。
最近はそれに三重県産「アヤヒカリ」をブレンドしています。伊勢うどん等によく使われている比較的柔らかめの小麦粉です。「さぬきのゆめ2009」を使うと、比較的麺が固めに仕上がりますので、柔らかく仕上がる「アヤヒカリ」で全体のバランスを取るようにしています。

※香川県内では、扱いやすい小麦粉「ASW(オーストラリア産小麦)」を使っている店舗がほとんど。それでも「地元香川県の小麦粉は絶対に使いたい」と市坂さん。
ーーうどんづくりについて。
基本に忠実に作っています。只、自分が太くて強い讃岐うどんが苦手でしたので(笑)。
気持ち細めの固すぎず、柔らくなりすぎない、うどんを作っています。また、小麦粉の香りを楽しんで頂きたいので、自分が好きな食感で香りが一番抜けるところを目掛けてつくっているイメージでしょうか。

※「麦香」さんのうどんは口に入れると、心地いいモチモチした食感と鼻から抜ける上品な小麦の香りに魅了されます。
ーー人気は「かけうどん」。
定番ですが「かけうどん」が良く出ます。
鼻から抜ける小麦の香りにモチモチとした弾力あるうどんが味わえます。出汁は昆布ベースに伊吹島のいりこにウルメ等でバランスを取ります。おかげさまで、当店のうどんはお年寄りのお客様からもご支持頂けています。ご近所の方から、玉買いもして頂いています。本当に有難いです。

※「かけうどん」と薬味セット。お好みでネギや天かすを入れても◎。オススメは薬味なしで香りの良さを味わうのも◎。
ーー国産小麦のうどんづくりは難しい。
国産小麦はASWと比較してデリケートで扱いが難しいんと思います。作業効率を考えれば、ASWが良いのは間違いないのですが…。手間と時間をかけてでも、扱いの難しい国産小麦のうどんを提供したいです。
注文を聞いてから、うどんを茹で始めますので、お客さんには待ってもらうようになります。そこは申し訳ないなと、いつも思います。

※こまめに試食して、うどんの状態を確かめているそうです。もちろん、納得できたうどんしかお客様には出しません。
ーー老若男女みんな大好きな「カレーうどん」。
基本的に出しているメニューはひと通り、自分自身が納得してメニュー化しています。
只、「カレーうどん」はそうではなく…うどんや出汁等にこだわりぬいた分、「カレーうどん」はお客様に親しんでほしいと思ってつくりました。どなたがが食べても美味しく、食べやすくなっています。隠し味にトマトや桃等のフルーツを入れて煮込んでいます。スパイシーさは残しながら、甘みと酸味を感じるやさしい味に。仕上げにクリームを入れることで、どなたでも食べやすくしています。

※人気の「カレーうどん」。みんなが好きな味に仕上がっています。

※クリームもたっぷり、フルーツのほのかな酸味も感じられる。口に入れても、いやな刺激を感じない丸みのある…やさしい味。
ーーうどんづくりで大切にしていること。
国産小麦を使っていることもあり、うどんは生き物であると常々思っています。茹でてから、時間が経過するほど劣化するのは間違いありません。
うどんづくりは力を込めて鍛え抜くというよりは、丁寧に時間をかけてつくります。「さぬきのゆめ2009」を使っていますので、朝練りだとやや固く感じます。1日熟成させることで、小麦の香りが最大限に生きるカドの取れた、うどんになるのではと思います。

※うどん作りで一番のポイントは「だんご」にするところ。ここでうどんの出来不出来が決まるそうで、最も集中している工程だそうです。
ーー市坂さんオススメメニューは。
個人的にまかないで食べるのが「ちくわ天ぶっかけ」です。
ちくわは観音寺産のものを使います。天ぷらもうどんと同じように作り置きはしません。注文を聞いてから揚げますので、サクサクで美味しいですよ。天ぷらの具材も地元農家さんから、無理を言って取り寄せて貰ったり。
肉にしても、野菜にしても地元香川県のものしか使いません。讃岐うどんには香川県の食材があうと思っていますから。

※市坂さん曰く「熱い時期はのど越しにこだわったとろろ系のメニューがオススメ」だそうですよ。
ーー最後に一言。
「鼻から抜けていく小麦のいい香り」がする、うどんを楽しんで頂きたいです。
讃岐うどんといえば、強い弾力=コシですが。当店はコシもありながら、香りの良い讃岐うどんを提供しています。色々な讃岐うどん店さんがありますが、是非、当店にも気軽にお越しください。お待ちしています。

※コトデン岡田駅より徒歩8分,レオマワールドから車で15分です。
麦香 BAKUKA UDON (ばくか) | |
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住所 | 〒761-2401 香川県丸亀市綾歌町岡田上1898-3 |
電話番号 | 0877-86-2910 |
営業時間 | 10:00-15:00 ※休みは水曜日 |
公式サイト | http://bakuka-udon.com/ |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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