讃岐うどんをつくる小麦粉「ASW」と「さぬきの夢」について。
香川県下の多くの讃岐うどん店で使われている小麦粉「ASW」。
香川県産の小麦粉「さぬきの夢」。
ふたつの小麦粉の違いを簡単に調べてみました。
※吉原食糧㈱代表取締役の著書を参考に記事にさせて頂きました。
書籍名:だから「さぬきうどん」は旨い
発行日:2009年6月発行
著者:吉原 良一
制作者:永瀬 正人
発行者:早嶋 茂
発行所:株式会社 旭屋出版
讃岐うどんをつくる小麦粉「ASW」と「さぬきの夢」について。
●香川県内の讃岐うどん店でも抜群のシェアの「ASW」
ASWはオーストラリアン・スタンダード・ホワイトの略でオースタラリア産小麦です。
日本の麺食市場向けにつくられた、簡単に言いますと麺専用小麦です。
主な特徴は下記の通りです。
①クリーミーな色
②適度に強い弾力
③茹で後の老化の遅さ
④作りやすい製麺適正
上記の特徴から扱いやすく、店主さんがイメージする讃岐うどんをつくりやすいそうです。
取時に店主さんから、お話を聞く限りは「使いやすさ」と「品質の安定」が選ばれる理由でした。
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●香川県産小麦の復活「さぬきの夢」について
1970年前後にオーストラリア産小麦の輸入が香川県でも解禁となり、1974年にASWが生まれてからは讃岐うどん業界をASWが席巻します。
そんな中、香川県産小麦をもう一度普及させようという、関係者の方々の努力と熱意が実り、「さぬきの夢2000」が開発されます。
主な特徴は下記の通りです。
①色調は明るい黄色
②絹のような滑らかさ
③日本人が好むモチモチ感
関連書籍などを拝見しますと、開発までに相当な研究と試行錯誤を繰り返されていました。
現在では、さぬきの夢を使用する讃岐うどん店も増えています。
さぬきの夢リリース当時は、つなぎが難しく、うどんが切れやすくなるため、加水と熟成時間の経験が必要で扱いが難しかったようです。
2000年前後の当時のイメージで「扱うのが難しい」ため、敬遠される店主さんも多かったそうです。
ですが、現在では開発も進み、「さぬきの夢2009」となり、個性ある県産小麦というブランドイメージが定着しています。
ASWにはない、滑らかさとモチモチ感と麺中心部の強い弾力が人気です。
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●取材を重ねてみて
もちろん、どちらの小麦粉が良い悪いというわけではありません。
哲学ともいえるうどんづくりに自身の「理想のうどん」を照らし合わせた際、小麦の適正をしっかりと吟味判断して、いずれかの小麦を選択しているということです。
もちろん、ASWとさぬきの夢以外の小麦を使用している讃岐うどん店さんもありますので、本当に奥が深い話だと思います。
県外の方からすると、伝統的な讃岐うどんは国産小麦で…という先入観があるかも知れませんが。
県内のうどん店でのシェアで見るとASW。
その一方で、県産小麦ならではの個性を活かして、讃岐うどんを提供するうどん店もあります。
食べ比べしてみるのも、面白いと思います。
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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