【知識】おいしい讃岐うどんと小麦の関係を調べてみました。
多くの讃岐うどん店さんがうどんの麺にこだわります。原材料である小麦について調べてみました。
【知識】おいしい讃岐うどんと小麦の関係を調べてみました。
ーー小麦とうどんの経緯。
日本国内で小麦について、はっきりと記録が発見されるのが奈良時代です。
万葉集の和歌で確認されています。
その後、江戸時代頃になると小麦は稲作(水田作り)に不向きな地域でさかんになります。
香川県もそうですね。
江戸時代になり、小麦から作るうどんが商売向けに作られ、うどんの形状のままで残ったのは当時の江戸や大阪、そして香川県です。
現在は全国各地でうどんが食べられ、その多くはオーストリア産の輸入小麦でまかなわれています。
ーー小麦の特徴。
小麦の1番の特徴はグルテンと言われるタンパク質が含まれていることです。
いかにグルテンを形成して、うどんのコシを出すか。
そのため、小麦の鍛え方が大切だということを多くの讃岐うどん店の店主さんも取材時に仰ってました。
小麦にはグルテン=タンパク質が含まれます。
ーー小麦粉の等級について。
小麦粉は製粉時に等級分けされます。(うどんに限らず麺類全般は中力粉を使用するそうです)
等級により、タンパク質の含有量が違うようです。
一等粉で8%、二等粉で12%、三等粉で13.5%だそうです。
さらに一等粉のうえには特等粉もあります。
意外だったのが、等級が下がるほど、タンパク質が多いということです。
コシのあるうどんを作りたければ三等粉を使えば良いのでは?と自分のような素人は考えてしまいます。
ですが、うどんづくりはもっと奥深いんですね。
ちなみに上記の鶴丸さんは最高級の小麦粉を独自ブレンドされています。
ーーうどんに最適な小麦粉。
グルテン含有量=タンパク質だけですと三等粉が1番多いのですが、これで作ると黒ぽい色のうどんになるそうです。
滑らかさもなく、ボソボソとして粉ぽくなるんですね。
ここで店主さんが良く仰られる「うどんはバランスが大切」ということに記事を書きながら、気付かされます(笑)。
讃岐うどんはコシ弾力だけでなく、色や喉越し、滑らかさに風味等、「総合的に美味しい」と感じる為に色々な要素で出来ていることを痛感出来ます。
讃岐うどん…本当に奥深いです。
ーーオーストリア産小麦「ASW」について。
これまで取材にお伺いさせて頂きました讃岐うどん店さんでもオーストリア産小麦「ASW」の使用が多かったです。
ASWは数種類の小麦をブレンドして作る日本の麺類専用に開発された小麦です。
ある店主さん曰く、ASWは小麦の品質が安定しており、うどんの色もとても明るく出来るそうです。
品質が安定しているため、店主さんがイメージするうどん(弾力や喉越し等)を作りやすいことに加えて、毎日同じうどんを提供しないといけないので大変扱いやすいそうです。
ーー筆者のまとめ。
うどんづくりでは職人さんの技術ももちろんですが、原料の小麦を見ましても奥深いのがわかりました。
目指すうどんの味や食感を表現しやすいのが「ASW」という答え方をされた店主さんが取材でも多かったです。
近年ではうどんに限らず、ラーメンでも主流になりつつあるそうです。
香川県では、オーストラリア産の小麦が主流になることに待ったをかけるため、「さぬきの夢2000」を開発しています。
※讃岐うどん店の店主さんのインタビューと下記書籍を参考にさせて頂きました。
書籍名 日本めん食文化の一三〇〇年
発行日 2009年9月10日
著者 奥村 彪生
発行所 社団法人 農山漁村文化協会
この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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