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讃岐うどん CLAPクラップ

丸亀市飯野町「純手打うどん よしや」~理想の手切り讃岐うどんはAll Handmade~

2019.03.11

香川県内でも純手打(機械を使わない)のうどん店は少なくなりつつあります。

さらに、うどんを「手切り(包丁で切る)」で切る店は数えるほどしかありません。

純手打かつ手切りで人気の「よしや」の店主山下さんを取材しました。

丸亀市飯野町「純手打うどん よしや」~理想の手切り讃岐うどんはAll Handmade~

丸亀市内、飯野山近くにある「よしや」さん。

店主山下さんのSNSではイベントや新メニュー情報の確認もできます。

※丸亀市内にあります「よしや」さん。好きな讃岐うどんランキングでも必ずと言っていいほど上位に入る繁盛店です。

 

 

 

ーー純手打のきっかけ。

自分が好きだからですね(笑)。

特に「手切り」から生まれる独特の麺の形状が好きになりました。手作りの素朴なうどんを昔から作りたかったんです。

でも、正直言いますと…「手切り」は疲れますね(笑)。

それでも幼い頃から、自分はうどん屋の大将がかっこいい!と思っていました。

全国から、讃岐うどんを目当てに来られる多くの観光客の方々に注目される「讃岐うどん」をつくる大将はかっこいいうえに凄いと思っていましたし…憧れの存在でした。

※幼いころから、うどん屋の開業を信じ修業を続けた店主の山下さん。取材のご対応ありがとうございました。

 

 

 

ーー県内でも希少。機械を使わない「手打」「手切り」のうどん店。

「手切り」は体への負担がかなり、かかって来ますからね。

只、これからの香川県の讃岐うどん店のことを考えると、「手切り」の店も一定数は残らないといけないのかな…と思っています。

「讃岐うどん」は香川県の大切な文化だと思いますから。

もちろん「手打」が優れていて、「機械」でのうどんづくりが優れていないわけではないですよ。

お客さんにとっては、美味しければどちらでも良いことだと思います。

※県内外からも大勢のお客さんが訪れる「よしや」さん。「ひやひや」や「ひやあつ」等、うどん好きにはたまらないラインナップが。

 



 

ーーうどんづくりについて。

小麦粉は自分が好きなASWを使っています。

「讃岐うどん」を作る上で、素材にこだわりを強く持つ気持ちはないんですよ。伝統的な作り方と言いますか、基本がありますから。

それに沿って作るのが正解だと思っています。

うどんを包丁で自分の手で「手切り」すること自体、香川県内でも少なくなっていると思いますが、自分からすれば、いたって普通の作り方だと思っています。

単純にこの作り方、「手切り」の「讃岐うどん」が好きなんですよね。

※小麦粉は木下製粉さんで製粉されたASWを使われています。

 

 

 

ーーうどんづくりで気をつけていること。

当店は手打、手切りで足踏み等の工程で機械は使っていません。

全て人間の手作業なので、不確定なことが多いんです。不確定な要素が多い分、おもしろいんだと思います。

気をつけていることは、出来るだけうどんづくりを論理的に作るようにしています。

なんとなくという感覚や勘ではなく、生地がこういう状態の場合はこうやって…雨の場合は気圧が下がっているので、沸点が下がるからこう対策をする…というように具体性が大切だと思います。

うどんが完成するまでの要因と毎日のイレギュラーなに対しての対策や改善方法を具体的につかむようにしています。

讃岐うどんづくりはどうしても、職人さんの感覚に頼ることが多いように感じています。

だからこそ、余計に理論づけて、数字を把握して、毎日のうどん作りに用いることが大切だと自分は思っています。

※「手切り」は等間隔で同じ太さで切っていかなければいけません。山下さんの技術と経験がモノをいいます。

 

 

 

ーー「手切り」のうどん。

あくまでも自分の主観ですが、手打手切りのうどんづくりというのは、特に不確定な要素やアクションがより多く存在するんだと思います。

例えば、自分の手で包丁でうどんを切るときは人間の力が直接刃に伝わり、その力が麺に伝わります。人間のすることですから、力加減は一定ではありませんよね。

自分は均等な太さで切ったつもりでも、均等な太さにはなりません。

麺の形状も当然、凸凹になったり…人間のすることですからね。

さらに、わずかに凸凹の状態の麺に熱を入れます。

当日の天気による室温の差や湿度も、小麦粉のそれぞれの水分量もそもそも違います。様々な条件が微差で積もり積もって、不揃いなうどんになります。

そうして出来上がった機械的ではない不揃いな、どこかぬくもりを感じられる、うどんが自分は好きなんですね。

※包丁でうどんを切った後、山下さんは必ずうどんの状態を確認されます。

 

 

 

ーー「手切り」のうどんはねじれる?

個人的には「手切り」だけが要因ではないと思います。

「ねじれ」や「ちぢれ」は色々な条件は組み合わさって、発生するのではないでしょうかね。

例えば、うどんを切った後、麺を軽く揉んだりすると、うどんの断面に圧力がかかります。これを茹でると、力の加わった箇所だけ熱の入り方や麺のバランスが違ってきます。

それ以外も、うどんを伸ばす際のグルテン構造等々…色々な要因が重なり、「ねじれ」や「ちぢれ」が出来るような気がします。

※切ったばかりの「よしや」さんのうどん。麺一本一本に力強さと愛を感じます。

 

 

 

ーーうどんづくりで一番大切な工程。

しいて言うと「水加減」と「塩加減」です。

最初の段階となりますが、ここで失敗すると後工程での挽回は、ほぼ出来ないです。

「踏み」の工程も当店は、少し変わった踏み方をしており、茹で時間も細心の注意を払っています。

お客さんに最高な状態のうどんを出したいですからね。

その日の気温やお客さんの来店具合で微妙に調整してます。

お客さんには可能な限り、出来立てで美味しい状態のうどんを提供したい気持ちは、開業時から変わりません。

※切ったうどんは必ず状態を確認します。当日の気温や天気等で茹で時間の目安を決定されているそう。

※うどんを打ちながら、店舗のスタッフさんとコミュニケーションも、常に目配り、気配りの山下さん。

 



 

 

ーー年々少なくなっている讃岐うどん店の店舗数。

自分が好きだった、歴史のあるうどん屋さんも閉店してます。

本当に寂しい限りです。

自分は、たまたま「手打」「手切り」のうどんが好きでしたので、それを選択しました。

自分の技術が正解かどうかと言うことは、正直わかりません。

それでも、自分が経験した「手打」「手切り」の技術を、自分よりも若い世代にどんどん伝えて、讃岐うどん業界を全体的に盛り上げて行きたいです。

自分も休みの日には、色々なうどん屋さんに食べに行って刺激を貰ってますからね。

これから、おもしろい発想を持った、新しいうどん屋さんが出てくれば、もっともっと面白いだろうなあと思っています!

※茹でたての「よしや」さんのうどん。茹でたてのうどんから感じるのは唯一無二の力強さ。

 

 

 

ーー「よしや」のうどんの楽しみ方。

自由に楽しんで頂ければと思います(笑)。

毎日来て頂いている常連さんは、毎日同じメニューを食べてくれますし。頻繁に新メニューをつくったり、他店さんや他業種の方々とイベントを行ったり、結構元気にやっています。冬は定番で「そば」をつくっています。

自分自身も、讃岐うどん以外のことでも、たくさん挑戦したいことがあるんです。

※多くの常連さんが注文する「かけうどん」。「よしや」さんのうどんの魅力を堪能出来ます。

 

 

 

ーー超繁盛店。新しいことにも意欲的に挑戦。

自分自身で一から、お店をOPENしたという気楽さが根底にあります。

いつも、「何とかなるだろう」というのがあるのかも知れませんね(笑)。

ですが、うどんづくりに関しては日々改善といいますか、前進進歩していかないといけないと思っています。

自分よりも若い世代の人たちにも、色々な経験や思いを伝えられるように。

具体的に出来るだけロジカルに…まだまだ勉強中です。

毎日、考えながらうどんづくりをすることが大切ですね。

※取材時も午前中にも関わらず、大繁盛されていました。

※讃岐うどんの伝統が色濃く残る「よしや」さんのうどん。是非、実食でお確かめください。

 

 

 

純手打うどん よしや
住所 〒763-0084 香川県丸亀市飯野町東二343-1
電話番号 0877-21-7523
営業時間 7:00~15:00  ※営業時間が変更する場合があります。公式ブログやSNSをご確認ください。 ※休みは火曜日 
公式サイト https://www.udon448.com/

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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