讃岐うどん「手打ち」と「機械打ち」の違いを調べてみました。
讃岐うどんは昔から「手打ち」が基本です。
近年は大規模チェーンの讃岐うどん店も増えており、そのクォリティも「手打ち」に負けず劣らずですね。
過去に取材させて頂いた讃岐うどん店の店主さんや書籍とあわせて「手打ち」と「機械打ち」の差を検証してみました。(※諸説あり、当記事は断定するものではございません)
讃岐うどんの手打ちと機械打ちうどんの違いを調べてみました。
●讃岐うどんづくりの手順
讃岐うどんのつくり方は以下のような流れでつくるのが一般的です。
①塩水づくり…小麦粉に加える為の塩水づくり。塩水を小麦粉に混ぜて、塩分を加えることでコシが出やすくなります。
②水回し…小麦粉に塩水をなじませる作業です。
③まとめ…塩水を含んだ小麦を踏みやすい形にまとめます。
④踏み…生地を踏んでうどん特有のコシを出します。
⑤打ち(のし)…食べやすい厚さ(3mm前後)にのばします。
⑥たたみ…生地を切りやすくするためにたたむ作業です。
⑦切り…薄く伸ばした生地を食べやすい太さにカットします。
⑧茹で…うどんが半透明になるまで茹でます。
●小麦粉と水をあわせる時の加減
②水回しの段階で讃岐うどん店の店主さんがよくこう仰られておりました。
「原料となる小麦粉の状態は袋毎に違う」ということです。
職人さんが各小麦粉の袋毎の状況を経験と感覚で判断して、その日その日で最適な加水量や遡って①の塩の量を僅かに調整されています。
機械打ちでも、同じようにその日の水加減等を慎重に決定していますが、一連の工程の中で、小麦粉の状況と照らし合わせながらの細かい修正はさすがです。
手作業でこその付加価値が強く感じられます。
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●「手打ち」と「機械打ち」の違い
一般的に手打ちと機械の工程の違いは②~④が手作業であるかどうかです。
⑤~⑦はチェーンのセルフうどん店の各店舗で実施しています。
最近は上記の①~⑧を手作業で行う本当の手打ちである「純手打ち」のうどん店も少なくなりました。
②~④の工程を機械化している場合も、純手打ちに勝るとも劣らないうどんが近年は出来ています。
機械の進歩も大きいですが、一番は小麦粉の進化、特にオーストラリア産小麦(ASW)の品質向上が大きな理由だそうです。
●踏みでの違い
④踏みはうどんを鍛えることです。
生地に対して、様々な角度から踏み、力を加えて網目状のグルテンを形成することでコシが生まれます。
踏み過ぎると、グルテンは破壊されてしまいます。
グルテンは一度破壊されると、元の状態に戻りません。
生地が壊れるか壊れないかのギリギリを職人さんの長年の経験と勘で最適な強さを選択しています。
さらに熟成(寝かし)させるか、させないかの判断も店主さんの判断です。
小麦粉のレシピ(品種や配合比)やその日の気温や湿度で決定します。
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●筆者のまとめ
私自身もよく讃岐うどんチェーン店に行きます。
安くて美味しいですし、迅速にうどんも出てきます。利
便性で言うとチェーン店が安心出来るのではないでしょうか。
只、純粋に香川県で讃岐うどんを楽しみたいという方はやはり地元香川の讃岐うどん店をオススメします。
取材をすすめていくうちに、讃岐うどん店の店主さんのうどんに対するこだわりは本当に素晴らしいです。
1玉小サイズのうどんは200~300円ですが、そこには店主さんの創意工夫や熱意に気遣い、こだわりとさらには苦悩等も感じられるかも知れません。
ぜひ、色々と想像しながら、讃岐うどん巡りをお楽しみください。
※下記書籍と讃岐うどん店の店主さんのインタビューを参考にさせて頂きました。
書籍名 手打ちうどんの作り方
発行日 2007年7月10日
著者 蓮見 壽
発行所 株式会社 日東院本社
書籍名 図解 旨い!手打ちうどんに挑戦
発行日 2000年5月17日
著者 藤村 和夫
発行所 株式会社 ハート出版
この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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