観音寺市三本松町「虎龍(こたつ)」~うどん製法のこだわり中華そばの源泉を取材~
観音寺市三本松町にある、うどん製法を取り入れてつくる、中華そばが評判の「虎龍(こたつ)」さんをご紹介。店主の尾幡正和さんに創業や中華そばのこだわりについて、たっぷりとお話しをお伺いしました。
観音寺市三本松町「虎龍(こたつ)」~うどん製法のこだわり中華そばの源泉を取材~
ーー創業の経緯。
父と共に2011年にうどん店として、オープンしてから10年経ちました。最初はうどん屋でした(笑)。
今思うと…10年という年月はあっという間でしたね。最近は年をとって、しんどい時もありますが、自分のペースで仕事をやらせてもらっています(笑)。
香川県といえば、讃岐うどんですからね。讃岐うどんがとにかく馴染み深いので、父が香川県に一番馴染みやすい、うどん店を開業したいという理由で立ち上たのがそもそもです。
オープン当初は専門的な技術が乏しいこともあって、色々と大変な時期がありましたね。香川県民の皆様のうどんを評価する口は厳しいですから(笑)。
ーー「中華そば」を出すきっかけ。
私がもともとラーメンや中華そばが好きだったというのが、一番の理由です。
オープンしてから
「中華そばが食べられるうどん店」
ということが口コミで広がっていき、中華そばが評判となりました。口コミの影響もあり、来られるお客様の大半が中華そばをご注文いただく状況でしたね。
あまりにも中華そばの注文が多くなり、うどんは出すのはやめて、中華そば専門店となりました。
試行錯誤をしながらですが、自分が若いころに東京で培った飲食店での経験やノウハウを活かして、自分で研究してきました。ようやくお客様に満足いただける中華そばが出来たように思います。
ーーうどん屋から中華そば屋への転身。
うどんとそばを両方やっていた時期がありましたが、以前はうどんと中華そばを両方仕込んでいましたので、仕込みが本当に大変でした。
私にとっては中華そば一本で行けることは、自分の好きな料理に集中出来ますので、嬉しかったですね。ただ、元々は父が
「うどん屋をしたい」
という気持ちが始まりでしたので、父やウチのうどんを目当てに来てくださるお客様にも、最大限のご配慮しながら、中華そば一本としました。父は現在でもお店を手伝ってくれていますので、本当に有難い限りです。
ーーこだわりのスープづくり。
基本的には朝からスープづくりの仕込みを行います。
出汁を取り出すために、鶏ガラをさばいていきます。毎日欠かさず行ってますが、つくづく思うことはスープづくりが難しいというより…非常に手間がかかりますね。鶏ガラだけでも内臓をはずしたり、ボイルして血抜きしてから煮込んでいます。
「中華そば」だけでなく、料理全般に言えることですが。結局は、どれだけ手間をかけて丁寧に作れるかですね。
当店では出汁を別々にとっているので時間もかかります。そして、最低1日は寝かしてから使います。魚介系と動物系のスープのそれぞれの良いとこどりをするようにしています。
ーー「讃岐うどん」を感じるこだわりの麺。
麺はうどん用の小麦粉と中華麺用の小麦粉を独自にブレンドして使用しています。
モンゴル産のかん水にベトナム産の天日塩。たっぷりの卵を練り込み、うどんの製法で作った自家製の麺です。
うどんの製法で麺をつくりますので一度、団子にしてから伸ばしていきます。平打ちの太い縮れ麺でムッチリとした独特な食感を味わって頂けると思います。
自家製の麺とスープは最高の相性に仕上がっていると思います。自家製のものを自分自身でちゃんと丁寧に作ることが大切なことだと思います。
ーー「中華そば」の奥深さ。
うどんも難しいと思いますが。
「中華そば」は特にスープが難しいです。毎日格闘していますよ。
スープはイリコをふんだんに使ったうどんの出汁に国産の鶏ガラと豚骨を煮込んで作っています。魚介系と動物系のコンビネーション、バランスを取ることが本当に難しいです。毎日、同じ品質のスープを作ることがやりがいでもあります。
アッサリだけど、コッテリしている…深みと旨味が感じられるスープに仕上げていますから。この味がクセになると言って頂けるのは有難いです。
ーー変化する飲食業界。
ひと昔前だと、味の濃いものを望まれていたのが、最近では業界全体が健康志向とかに変化しつつあります。
最近は動物系脂肪も見直されており、当店では動物系脂肪しか入れていません。脂肪の採り過ぎは良くないですが栄養となるように考えています。
それと、経営的な話ですが、当店はランチタイムが中心ですので、高い値段で勝負するのは、やっぱり厳しいですね。
美味しくて、値頃感のある「中華そば」として700~800円くらいでお腹いっぱいになる…そして、満足して、また来てもらえる店になりたいです。
今まで、多くの美味しいの店を見てきました。共通して言えるのは
「優しい味がして、そして丁寧な仕事をしていること」
でした。利益優先ではなく、原価をしっかりかけて、真面目にやっていかないと生き残っていけないですね。お客様も手抜きはすぐに見破られますから。
ーー「虎龍」のこれから。
新型コロナウィルスの影響で本当に飲食業界はかなり厳しい状態です。
それでも、当店はおかげさまで毎日多くのお客様に来て頂けています。とても励みになりますし、来てくださるお客様には感謝しかありません。お客様のおかげで、10年間続けてこれました。まずは、この店を守りながら地元観音寺に恩返しができればと思います。人が動いてくれるだけでも有難いです。
お店の今後については漠然としていますが、場所があって色んな状況が整えば、例えば「ラーメンバル」のようなお店もしたいですね。ワインが飲めるちょっとリッチなご飯屋さんみたいな…そんなことも考えています。
中華そば 虎龍(こたつ) | |
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住所 | 〒768-0063 香川県観音寺市三本松町4-2-16 |
電話番号 | 0875-25-5606 |
営業時間 | 火~日/11:00~14:00 ※休みは月曜日です。 |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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