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観音寺市植田町「かなくま餅」~大切にしたい地元の空気感~

2021.04.21

お餅が入ったうどんで親しまれている観音寺植田町「かなくま餅」さん。国道11号線沿いにお店を構えたのは昭和初期。現在、5代目の兄とともにお店を支える多田美和子さんにお話を伺いました。

観音寺市植田町「かなくま餅」~大切にしたい自宅のような空気感~

ーー創業から現在の場所に移転。

もともとは遍路茶屋の餅屋で創業しました。店名の「かなくま」というのは地名で流岡町にある、かなくま橋のたもとにあったところからです。「かなくま餅福田」さんと並んでお店がありましたが、昭和初期の橋の架け替え工事の際に現在の場所に移ってきました。

※写真は「かなくま餅」さんの多田さんです。

※5代目の兄とともにお店を支える多田美和子さん。

 



 

 

ーー「昭和」と「現代」の違い。

私の祖母から聞いた話では移転した当時は昭和の高度経済成長の時代と重なったことや近隣にも飲食店が少なかったこともあって、お昼ご飯を食べに来られるお客様がとても多く賑わいはじめた頃でした。その頃に短時間でしっかり食べてもらえるようにお餅やうどん以外にお惣菜なども作り始めたそうです。

現在は私の兄が5代目となり、兄と2人でお店を引き継いでいます。兄がうどんを作る担当で、私はお店の運営とSNS等の情報発信を担当しています。

※写真はかなくま餅の力うどんです。

※根強いファンも多い定番の「力うどん」。

※写真はかなくま餅の力うどんです。

※圧倒的な存在感の丸餅でお腹いっぱいに。

 

 

 

ーー名物「銭餅(かねもち)うどん」の誕生。

約10年ほど前にできたメニューですね。

当時、銭蒲(ぜにかま)という蒲鉾ができた時に一目で気に入り、うどんに入れたい!と思いました。どうせ入れるなら地元の食材をと思い、えびちくわとつきたてのお餅を入れ、一杯で観音寺の食を味わってもらえるメニューとして考案しました。

最初は県外から来られたお客様向けに考案したものですが、縁起がいいイメージもあり観光客以外の地元の方にも受け入れられました。

※写真は銭餅うどんです。

※トッピングのお餅は注文時に4種類から選べる「銭餅(かねもち)うどん」。あんもち天ぷらが一番人気。

※写真はかなくま餅のうどんです。

※観音寺がてんこもり。名物の「銭餅(かねもち)うどん」

 



 

 

ーーうどんづくりと引き継がれた想い。

父は田畑に囲まれた環境で育ったこともあり、昔から地元の農家さんで作られたものを使うべきだという信念がある人でした。

うどんの粉も地物香川県産小麦粉である「さぬきの夢」を使い続けています。ひと昔前は「扱いが難しい、コシがなくなりやすく伸びやすい小麦粉」と言われていましたが、製粉会社にお話しを聞きに行ったり、配分を変えたりと小麦のおいしさを引き出せる麺づくりに苦労しながら研究していたのを覚えています。

父の努力もあり、おかげさまで2004年から「さぬきの夢こだわり店」に認証されました。それでも、まだまだ試行錯誤の日々なんです。

※香川県産小麦「さぬきの夢」を使った魅力あるうどん。

 

 

 

ーー素材を活かしたやさしい味。

当店のかけ出汁はお客様によっては味が薄いというご意見もいただきます。ですが、当店としては少しでも健康に良いものをお客様に出したいという想いが第一です。

ですから、伊吹イリコや昆布、かつお、サバ、ムロアジを独自にブレンドし、塩や醤油などの調味料を減らして素材の味を活かした出汁にしています。お惣菜もうどんの出汁をベースに作っています。

5代目の兄が料亭で学んでいたこともあり、お惣菜はどれも素材を活かした優しい味付けになっています。

※写真は「かなくま餅」さんの多田さんです。

※「体に優しく、毎日食べても飽きない料理を」と多田さん。

※写真はかなくま餅さんのうどんです。

※素材の味が染み出るやさしい味付けは実食で。

 

 

 

ーーご近所さんや常連さんに寄りそう店。

うどん屋としては珍しく、地元の野菜や魚を使った家庭料理が充実しています。毎日、旬の食材を使って10種類以上のお惣菜を作っているので、ご近所さんや常連さんがほぼ毎日利用してくださっています。当店の味付けを気に入って頂いて有難い限りです。

新しいメニューを考えるのも長年働いてくれているパートさんの「こんなん食べたら美味しい!」というアイデアも取り入れ、スタッフ一丸となって、毎日食べても飽きないメニューを提供出来るように工夫しています。

※写真は「かなくま餅」さんの外観です。

※ぬくもり溢れる外観はほっこりの安心感。

※写真はかなくま餅さんのお赤飯です。

※定番テイクアウトはせいろで蒸した「お赤飯」。

 

 

 

ーーこれからのお店づくりの話。

コロナで気軽に外食を楽しめなくなった時代だからこそ、餅屋としてもテイクアウトでお客様に楽しんで頂けるようなメニューを考案しております。当店では自家製あんこも代々同じ製法でしており、甘さ控えめのつぶあんは幅広い年代の方にも食べやすいと思います。

最近では高瀬のお茶を使った大福 や、春には観音寺で生産されている「さぬきひめ」を使ったいちご大福、季節ごとのフルーツを使った大福が人気となっています。

「インターネットを使って遠方の美味しいものが手軽に食べられる時代だからこそ、地元の食材に今一度注目してもらいたい」

という想いから当店では地元で採れる食材にこだわっています。

※写真はかなくま餅のさくら餅です。

※季節限定のお餅も並ぶのも楽しみのひとつ。

※写真はかなくま餅のあん入り餅の天ぷらです。

※定番の「自家製あん入り餅の天ぷら」はぜひ。

 

 

 

ーー目指すはところは「家庭の味」。

「祖母の次代から今でも、家の食卓のように食べにきてもらいたい」

というのがモットーです。自分たちが美味しいと思えるものを提供するのですが、昔からかわらないものも持ちながら、新しいものも取り入れ、地元に愛される店としてありたいと心がけています。ぜひ、お気軽にお越しください。

※写真はかなくま餅さんの店内です。

※コロナウィルス感染対策の店内でせひ。

 



 

かなくま餅
住所 〒768-0012 香川県観音寺市植田町35-2
電話番号 0875-25-3044
営業時間 8:00~15:00 ※休みは日曜日

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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