ーーお兄さんに聞く。OPENまでのお話。

土地自体は父名義で持っていまして…正直持て余しておりました。実は何年も放置して、使っておりませんでしてね。

うどん屋をOPENするならロケーション的にも面白いのではないかと思いまして、この場所でうどん屋をやろうと考えたのがはじまりです。

※田んぼの中にポツンと洗練された外観が話題沸騰の「川川うどん」さん。

※善通寺ICから車で2分。お店へ行く前には看板を見逃さないように注意。

ーー「川川うどん」の由来。

お客様にも店名を不思議がられます。本当に大した意味はなく、父方の名字が川田で母方の名字が柳川ですので、一文字ずつ取って「川川うどん」としました(笑)。

お客様からも聞かれますが、深い意味はないんですよ。弟と私で二人三脚でやっています。

※ご兄弟とご親族で経営されているそうです。笑顔で取材対応してくださった代表でもあるお兄さん。

ーーお兄さんがつくる独特の細麺。

当店のうどんは、強いコシとか弾力とは真逆の細麺だと思います。うどんづくりの工程で讃岐うどん特有の「踏み」作業はしていません。手で鍛えるのみにとどめて、熟成時間を1日かけるようにしています。

なんといっても、香川県はうどん激戦区でレベルも高い。その中で個性を打ち出していかなければいけませんから。

※「自分が好きな細麺のモチモチした口当たりの良い弾力を追及しています」とお兄さん。

ーー悩みに悩抜いたうどんづくり。

オープン当初は、どちらかと言えばオーソドックスなうどんを作っておりました。自分の中で色々と考えましたが…最後は自分が一番好きな現在の細麺に決めました。

当初は小麦粉もASWで安定感のあるうどんを…と考えていました。

しかし、自分の好きなもちもちとした加水率高めの熟成麵をつくるには国産小麦の方が良かったので、何パターンも試しながら試行錯誤の連続で作りました。それ以降は季節や材料の状態で微調整はしていますが、ほぼ変えていません。

※川川うどんさんの玉取り風景。吸いつくような、水分量の高さが感じられます。

ーーお兄さんが語る。兄弟でつくる新しいうどん屋のスタイル。

自分が麺を中心に仕込んで、弟が創作系メニューを担当しています。当店はロケーションは昔の讃岐うどん店、店内はカフェのような雰囲気の店づくりとしています。こうすることで色々な層のお客様に来て頂けるのではないかと思いました。時間もお金もかかりましたね(笑)。

そのようなコンセプトにそぐうメニューも必要ですから…弟がつくる創作系メニューはウチの生命線でもあります。

※カフェのような洗練された空間、店の外は善通寺の田舎風景。独特のギャップが魅力。

ーー弟さんに聞く。人気メニュー「キーマカレーうどん」。

今はお客さんの間でも当店の「キーマカレーうどん」が定着しつつあり、本当に有難いです。

元々、僕はスパイスカレー店で長く働いておりました。ですので、カレーをスパイスからつくることが好きでした。カレーが好きすぎて、自宅でも新メニュー開発と絡めて趣味でカレー作りをしています。

「キーマカレー」は自分が一番好きなカレーメニューです。只、現在の味に落ち着いたのは本当に最近なんです。オープン当初の「キーマカレー」と現在の「キーマカレー」は大分違うと思います(笑)。

※「スパイスカレー専門店や中華料理店での経験が創作メニューづくりに役立っています」と弟さん。

※初期のキーマカレーは攻めすぎていてクセが強かったそう。

ーー川川うどんの細麺と創作メニューの相性。

兄が打つ麺に関して、僕は口出しすることはないです。川川の細麺にどういう付加価値を付けられるかが僕の仕事です。

「キーマカレー」だけ見ても、スパイスの焙煎具合やルウのとろみ具合、具材の大きさ、具材のバリエーション等々。色々と悩みどころですが、楽しみながら考えるようにしています。

夕食で新メニューを作って、家族で試食して感想を聞いたりするのが日常です。

※ピーナッツが入ることでカレーと独自の麺麺に食感のアクセントとほのかな香りがプラスされる。

※兄弟で試行錯誤してつくられた「キーマカレーうどん」は香川県内でも唯一無二のカレーうどん。

ーーお兄さんオススメ「きつねうどん」。

「キーマカレー」はもちろんですが、「きつねうどん」もオススメです。

宇多津町の「くぼさんのとうふ」製の油揚げを乗せています。ふんわりした食感と噛むと溢れ出る出汁は、当店の細麺が一番引き立つメニューです。お子様からお年寄りの方までよく注文してくださいます。

※迫力抜群の油揚げはきつねうどんの常識を覆すかも。

※「きつねうどん」はたっぷりとネギを乗せてズルズルと一気にかきこみたい。

ーーお兄さんに聞く。これからの「川川うどん」。

兄弟でやっていますから。兄弟でしか分からない感覚や兄弟だから出来ることがあります。お互いに良い年齢ですから、仲良しではないですが家族として、良きパートナーとして切磋琢磨していきたいですね。

うどんに関して言いますと、当店の細麺は冷や系のメニューで食べて頂くと面白みを感じて貰えると思います。お気軽にお越しください。

※お兄さんがつくる細麺は茹でるときに絡みつく軽さとしなやかさが売り。

※細麺と絡み合う「キーマカレー」に兄弟の強い絆を感じます。