綾歌郡綾川町「山越うどん」~讃岐うどん超有名店の原動力はお客様の喜ぶ背中にある~
讃岐うどん巡りブームの原点、現在も超人気店の「山越うどん」さん。今回は3代目の山越伸一さんにお話しをお伺い出来ました。
綾歌郡綾川町「山越うどん」~讃岐うどん超有名店の原動力はお客様の喜ぶ背中にある~
ーー創業、間もなくの製麺所時代。
1951(昭和26)年に創業し、元々はうどんの卸し専門の製麺所でした。
創業後、しばらくするとご近所の方々が自宅から丼と箸を持ってきて「一玉ちょうだい!」と言われるようになり、玉売りのうどん玉を分けていましたね。
その時に食べて頂くにも、出汁等何も無かったのを申し訳なく思いましてね。
かけ出汁を作り、ネギを切り、生姜を用意して…いつの間にか店舗として営業するようになったことを覚えています(笑)。
ーー振り返る「讃岐うどんブーム」。
いわゆる「讃岐うどんブーム」は1970(昭和45)年の大阪万博で始まったとされています。
一番は1988年頃のタウン誌による「うどん巡り」が大きなきっかけと思います。タウン誌の影響は凄まじく「製麺所ブーム」が起こり、多くのメディアに取り上げていただきました。
さらに2006(平成18)年には、香川県内でロケが行われた映画「UDON(監督:本広克行さん)」の公開。
2010(平成22)年前後には「高速道路休日1,000円」となり、県外から多くのお客様にお越しいただくことになりました。
定期的に「讃岐うどんブーム」は起こっているように思います。
ーー超人気店「山越うどん」。
「讃岐うどんブーム」に乗り、当店の飲食形態も軌道に乗りました。
県外から多くのお客様にわざわざ来て頂くことが本当に嬉しかったですし、本当に有難いです。
当時の一番の心配事は駐車場を確保することでした。
まずは、昔からお付き合いをして頂いてますご近所様に迷惑にならないように。
十分な台数を確保して、混雑を回避するため誘の為、ガードマンさんをお願いしたりしました。
日曜日は休みにして、昨今では働き方改革等の兼ね合いから水曜日もお休みにしています。ご近所様はもちろん、当店のスタッフさんにも過剰な負担をかけないようにしているつもりです。
ーー名物「かまたま」の誕生。
当店が元祖のように言われますが、他の製麺所さんでも日常的にうどん好きな方の間で「かまたま」はありましたからね。
はじまりは製麺所時代にご近所さんが、当店の出来立てのうどんを玉子と絡めて食べられたというのは本当です(笑)。
ーー「かまたま」の楽しみ方。
おかげさまで「かまたま」は名物となりました。
遠方からお越しのお客様は讃岐うどん自体が初めての方も多いように感じます。
その方たちも、大変嬉しいことに暑い夏の時期でも「かまたま」を注文して食べていかれます。本当に嬉しいです。お腹に余裕のある方は冷たい麺を味わって頂ける「かまたまやま」もオススメしています。
ーー「うどん屋」として大切なこと。
当店は7割以上が県外からのお客様です。
2020年の5月、6月にいたっては新型コロナウィルスの影響で前年の8割減となりました。
前年のデータなどに基づいて仕込みの量を決めていきますので、今年に関しては私も経験したことがない程の散々な状況で手探り状態が続いています。
しかし、こんな状況でも来て下さるお客様に喜んで頂きたい気持ちは変わりません。当店のうどんは機械で製麺しており、手打ち手切りではありません。正直に申しますと…当店のような形態で、全てのお客様にご満足いただけるうどんを提供することは難しいと思っています。
それでも、来て下さったお客様の6割でも「来て良かった。」と喜んで頂くため、おもてなしの気持ちが一番大切だと思います。
ーー完成のないうどんづくり。
県外からのお客様の讃岐うどんへの期待感が高いことをいつも実感しています。
おそらく、他うどん店の店主さんも同じだと思いますが、自分自身が本心から納得できるうどんが出来るのは年間で数回程度です。
それくらい、讃岐うどんづくりは繊細で難しいと思っていすので、毎日が勉強です。
ーーキーワードは「おもてなし」。
うどんはもちろんですが「食べる雰囲気」も楽しんで頂こうと思っています。
観光客の方がたくさん来て頂いていますので、手作りの日本庭園の中で季節の木々と一緒に食べる讃岐うどん。香川県観光の思い出が良い物になればと思います。
ーーこれからの「山越うどん」。
当店は高松空港から近いこともあり、香川県内で食べる初めての讃岐うどんになることが多いそうです。
本音を言いますと、毎日がプレッシャーの連続です。
お客様が並んで頂いている行列を見ると安心する反面、「絶対に気が抜けない」といつも思います。
自分の中では、讃岐うどん全体のイメージをさらに良く思って頂きたいと思います。
なにより、喜んで帰るお客様の背中を見送ることが何よりのエネルギーです。
もちろん、地元の皆様のおかげで現在まで続けてくることができましたので、多くのお客様に満足いただけるよう努力していきたいと思っています。
うどん屋ですから、長く安定して続けていくことが一番大切です。
山越うどん | |
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住所 | 〒761-2207 香川県綾歌郡綾川町羽床上602-2 |
電話番号 | 087−878−0420 |
営業時間 | 9:00〜13:30 ※休みは毎週水曜日と日曜日 |
公式サイト | https://yamagoeudon.com/ |
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この記事を書いた人
カズシゲ・イリコセグロ(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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