ーー「SIRAKAWA」さんに影響を与えた3人との出会いがあるそうですが。

1人目は地元タウン情報誌の編集長をしていた田尾和俊さん(現 四国学院大学客員教授)です。

2人目は映画監督の本広克行さん(丸亀市出身)です。

3人目はアニメ界の巨匠である富野由悠季さん(代表作:機動戦士ガンダムなど)です。

※当時の思い出を回想しながら「出会いに感謝」と語る白川さん。

※趣味として10年以上取り組む落語を通じて学ぶことも多いという。

ーーうどん店の創業にいたるエピソードは。

私が学生の頃はインターネットもない時代でしたので、深夜ラジオやタウン情報誌から情報を得ていました。

特に人気企画の「笑いの文化人講座」は当時の学生たちには絶大な人気でした。そして、現在の讃岐うどんブームのきっかけとなった「恐るべき讃岐うどん」はとても斬新で“うどんで遊ぶこと”はとても衝撃を受けました。田尾さんとつながりたいという気持ちが強くなっていきました。

その後、何か飲食店を開業したいという想いもあり、うどん屋になるきっかけになったのは間違いないです。県内のうどん技術専門校の一期生として門をたたくことになりました。

※無駄のない動きに加えて、真剣な表情で丁寧な仕事ぶりの白川さん。

ーー影響を受けた3人とのエピソードは？

本広さんは無類のうどん好きで有名です。

映画「ＵＤＯＮ（2006年公開）」の撮影時に色々と協力することになりました。

キャストさんやスタッフさん皆さんのケータリングとしてうどんを提供させていただいたり。撮影時の食事に強いこだわりを持つ本広監督のリクエストに応えるべく、楽しんでもらいたい一心で「むちゃくちゃ考えました（笑）」この時の経験が現在のうどん屋としての心構えとして役立っていると思います。

富野さんとは2008年頃に初めてお会いすることができました。その当時、お店の方向性など自分的に思うところがあって、正直悩んでいた時期でもありました。思い切って富野さんに悩みを打ち明けてみました。富野さんから「自分の値打ちは自分で決まるものではない、自信を持つように」という言葉を頂きました。自分にとっては有難い限りです。

※映画「ＵＤＯＮ」のポスター。当時のことを鮮明に残っているそうです。

ーーうどんづくりのこだわりは？

長年、うどん屋を続けていく中で様々なことがありますが、今までの経験などを活かしています。

「気まぐれメニュー」もその一つで、同じものを単に繰り返すのではなく、常に考えることを意識しています。ある一面からは型破りに見えるかもしれません。

しかし、ぶれない型があってこそのスタイルだと思います。肩肘はらずに今の感じをできるだけ続けていきたいと思います。

※基本に忠実ながら、そのときの雰囲気を大事につくります。麺は表面に艶があり、滑らかでコシがしっかりとあります。

※揚げたてのちくわ天。サクッとした衣の口当たりとのコンビネーションが絶妙です。

※気まぐれメニューを毎日考えるのも楽しみの一つ。

※丁寧な接客で落ち着いて食事ができる店内です。