
善通寺市与北町「山下うどん」〜ぶっかけうどんの元祖と呼ばれる名店のうどんづくり〜

ぶっかけうどんの元祖で香川県を代表する剛麺で人気の「山下うどん」。
忘れることの出来ない強靭なコシと爽快な喉越しのうどんは王道の讃岐うどん。
多くの讃岐うどんファンからも一目置かれる人気店のうどんづくりや人気メニューを取材させて頂きました。
善通寺市与北町「山下うどん」〜ぶっかけうどんの元祖と呼ばれる名店のうどんづくり〜
ーー「ぶっかけうどん」の元祖と呼ばれる。
それはお客様から、昔からよく仰ってって頂けますけどね。自分達からは
「うちが元祖ぶっかけうどんです」
とは言えないですよね(笑)、商標登録している訳でもありませんし。
ただ、お客様がそうやって仰って頂けることが本当に光栄です。当店は「ぶっかけうどん」の注文が多いのも事実ですから。
もう少し昔の話になりますと、ここに移転前の店舗というのは一般店だったんですけど、その時代は「ぶっかけうどん」か「釜揚げうどん」を注文されるがほとんでしたね。
移転して、セルフうどんの形態になってからは「かけうどん」の割合も増えてきています。
セルフに変わったのか、どうなのか本当のところは良く分かりませんけどね。

※「元祖ぶっかけの店」「県内随一の剛麺」と呼ばれる「山下うどん」さんはうどん通の熱狂的な支持を得る。

※お忙しいところ、取材対応して頂きました店主の山下さん。ありがとうございました。

※移転後は広々としたセルフうどん店で駐車場も2ケ所あります。大型連休は長蛇の列が出来る、指折りの人気店です。
ーーうどんづくりのこだわり。
作り方は本当に普通と言いますか…一般的な作り方をしていると思います。
毎日、同じように変わらずにうどん作りをしていますので、当たり前のことを毎日、当たり前にしているという感じです。
うちのうどんはこういうところにこだわって…みたいなことを考えたことがないのかも知れませんね。改めて、こだわりと聞かれると困ってしまいます(笑)。
ただ、自分達が心の底から美味しいと思えるうどんを毎日作って、あとはお客様が判断してくださることかなという感じです。
生地は宵練り(前日の夜に練って一晩寝かす)ですので、生地が熟成させる時間自体は朝練りに比べると、あるのかも知れませんね。それは移転前から変わりません。
うどん作りは、先代の大将から色々と教えてもらったり、自分で実際にやってみて覚えたという感じです。
先代と言っても、今も午前中はお店に来て、色々と手伝ってくれています。本当に元気で心強い存在ですよ。

※一晩寝かせて熟成された生地は、心地よい強さと弾力が感じられます。

※うどんを打つ時もしっかりと鍛えることを意識して、生地の端々まで細心の注意を払われて打ちます。
ーー昔からのこだわり。
実際は昔と同じ作り方でやってきていますので、作り方もいきなり変えられないですよね。
小麦粉もASWを使っているのは昔から変えていないですし、打ち方や熟成時間なんかも変えられませんね。
理由は、お客様の方が僕よりもうどんに対しては敏感な方が多いですからね。毎日、通ってくださる常連さんもいらっしゃることは本当にありがたい限りです。
作り手側の意見としては、讃岐うどんは毎日同じ品質のものを変わらずに提供することが相当難しい料理ですから。
昔からの「変わらない山下うどん」を日々提供することで精一杯です。
先代のうどん作りをしっかり守っていると言うことですね。

※大型連休中は観光客の方からも注文の多い「釜揚げうどん」。元祖である「ぶっかけうどん」を両方頼む方も多いとか。

※「釜揚げうどん」で大切なのは湯からうどんを取り出すタイミング。気温や湿度、生地の状態も微妙に違うので、常に触って確認されるそうです。

※ゴリゴリの剛麺という印象のあった山下さんのうどん。食べてみると強さの中にも喉越しの良さが堪能できるさすがの麺です。
ーーうどん作りで大切なこと。
とにかく丁寧に大事に作りなさいと先代の教えを守っています。
先代は今もバリバリ現役ですけどね(笑)。
例えば、うどん生地を踏む時もね。生地の真ん中付近ばかりを踏んでしまうのではなく、
「生地の端まで、しっかりと丁寧に踏みなさい」
と言うことは良く言われました。
伸ばす時や茹でるときも同じです。
うどん生地の端っこの部分まで、美味しいうどんでなければいけないということなんですよね。
どうせ端の不揃いな部分は捨てるから…というのではなく、うどん生地の中心部分でも端の部分でも変わらずに美味しく作る、手抜きしないということですよね。
そういう、作り手のうどん作りに対する姿勢みたいなことが一番大切なんだと思います。
端の不揃いな部分を捨てないというのは、無駄を無くすことにもなりますし…それに食材を捨てるなんて、もったいないですからね。

※常に出来上がりを想像して、うどんの生地を指や目で確認しながら、うどん作りを行う山下さん。

※美しく切り揃えられた山下さんのうどんは目で見ても美しい出来栄え。
ーーうどんは生き物。
丁寧に踏んで鍛えて、仕込みをしても夜が明けて朝が来たら、気温や湿度でうどん玉の状態がそれぞれ違います。
本当に面白いくらい、毎日違いますよね。
当店は昔から、剛麺とか、ゴムのような強い弾力の強いうどんを作るうどん屋というイメージがあったと思います。
当時は食べたお客様も
「なんだ、これは!?」
と驚くらいのコシの強い麺を出していました。
特に冷たいうどんは飲み込むのも、ひと苦労するくらいのものを出していたと記憶しています。
でも、今はそこまでではないと思います。
それは変えたというか、自然にそうなったんだと思います。
先代の時代からですが、自分達の中で「美味しい」と考えるうどんが、毎日一生懸命作っている間にいつの間にか変わって来ているのかなと思います。
なので、こだわりは?
と聞かれた時も自分達は毎日、美味しいと思えるベストなものを作ろうとしていますので…都度、うどんの状態に応じて、自然とベストな作り方を尽くしているという感じです。

※常連さんからも「食べやすくなった」と太鼓判。進化を続ける「山下うどん」さんのうどん。

※「うどんの良い悪い、美味しいか、そうでないかはお客様が決めることです」と山下さん。
ーーシンボルとも言える「ぶっかけうどん」。
「ぶっかけうどん」も、昔から同じように作っているんですけどね。
年数が経過して、振り返ってみると変化しているんですよね、面白いですね。
ぶっかけ出汁のバランスも都度、調整しながら、昆布やいりこ等も良い素材を惜しまずに使うようにしています。
醤油にしてもロット毎に味や風味が全然違うんですよ。
業者さんや他の方に言わせると同じですと言われるんですけどね(笑)。
ダンボール毎に微妙にしょっぱくなったり、香りが違ったりと全てが同じ品質のものではないんでんす。
小麦粉も同じように袋を開けてみて、手で触ってみないと分からないですよね。
うどんが毎日、同じものが作れないように、醤油や小麦粉も当然、ばらつきはありますね。もちろん、一定の品質は担保されていますけどね。それが面白くもあります。

※剛麺時代の名残のような独特の捻れと躍動感あるうどん。「ぶっかけ」でお楽しみください。

※レモンを絞って、食欲を刺激させて食べると一瞬のうちに胃袋の中に。美味しいっ。

※食べやすく進化したとはいえ、伝統的なコシと弾けるような強さな健在です。ぜひ、実食で。
ーー香川県を代表するうどん屋として。
平日は駐車場が一杯に見えることもあるかも知れません。でも、席数も駐車場も多いので、意外と待たずに食べられますんでお気軽に来て頂きたいです。
おかげさまで、大型連休は店内も常に満席で客足が途絶えることはありません。県外の方は「ぶっかけうどん」を注文される方が多いので、気合が入りますね。
本当にお気軽にお越しくださいね。

※多くの有名人や著名人の方々も足繁く通う名店です。
山下うどん | |
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住所 | 〒765-0040 香川県善通寺市与北町284-1 |
電話番号 | 0877-62-6882 |
営業時間 | 9:30〜16:00(※休みは火曜日) |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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