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香川県民のうどん愛の正体に迫る~「かがわ経済レポート」記者に聞きました~

2021.06.30

香川県内の経済人や香川のキーパーソンを紹介して40年以上。

地元経済誌「かがわ経済レポート」やWEBメディア「かがわ経済ニュース」を運営する㈱香川経済レポート社。

今回は香川の財界人や注目のビジネスマンを取材する記者大柴さん(写真左)とアシスタント端山さん(写真右)の讃岐うどん愛を記者視点で存分にお話頂きました。

 

 

香川県民のうどん愛の正体に迫る~「かがわ経済レポート」記者に聞きました~

ーー香川県民が好きなうどんとは。

(大柴さん)

香川県民の皆さまは、自宅近所のうどん屋さんを好きになることが多いのではないでしょうか。

幼い頃から、通っているうどん屋さんというのが、多くの香川県民の皆さまにはおありだと思います。慣れ親しんだ、帰る場所のようなうどん屋さんです。

好きなうどん屋さんというのは、単なる美味しい、美味しくないを超えた先にある、自分の生活に密着したうどん屋さんです。なくてはならないものですよね。

大げさに言うと、香川県民の皆さまはご近所のうどん屋さんと人生を共にしているという感覚があるのではないでしょうか(笑)。

私が幼い頃は、母がうどん玉を多田製麺所さんで買ってきて、それを自宅で茹でて食べていました。いわば、私の讃岐うどん原体験ですね。それが生活の一部で、当たり前だったように思います。

当たり前の存在なのに、つい数年前まで私は多田製麵所さんのうどんを実店舗で食べたことがなかったという…そんな感じです(笑)。

もちろん、自宅で茹でて食べる、多田製麵所さんのうどんも美味しいのですが、実店舗で食べるうどんは私の想像をはるかに超えてきました。

自分が大人になり…多田製麺所さんの実店舗で食べるうどんが最高に美味しい。その事実に気づいたのが、つい最近というお話です(笑)。

そんな各々の物語や思い入れこそが、香川県民にとっての「うどん」だと思っています。

※社内でも屈指のうどん好きの大柴さん(写真右)と端山さん(写真左)。

 

 

 

ーー讃岐うどんのレベルの高さに気づく。

(大柴さん)

現状は香川県内のうどん屋さんの店舗数は減少しています。

さらに、これまで讃岐うどんブームや業界を牽引されてきた、名人と言われた方々が引退されています。本当に残念ですね。

実は、私はさぬき麺機さんのうどん学校に3ケ月通った経験があります(笑)。

根っから、讃岐うどんが好きな人間でうどんについて、深く知りたかったからです。

いち記者として、県内各所でお話を伺う際に、香川県内でうどん屋さんを開業して、経営を継続することは非常に難しいと聞きます。基本的に地元の人からすると、

「讃岐うどんは安くて、早くて、おいしいもの」

というのは間違いないと思います。

既存のうどん屋さんはすでに安くて美味しい。

さらに評判も良く、お店の信用もかなりのものです。そこに割って入るのは容易なことではありません。数も多いので競争率が非常に高いと思います。

また、うどんを毎日食べる香川県民の皆さまのうどんを食べる感覚、味覚も研ぎ澄まされています。ですから、付け焼刃のごまかしも効きません。

常にお客様や他店舗のご主人からも見られている、試されている、そんなプレッシャーもあるのではないでしょうか。

ただ、香川県民の皆さまはうどんに対して熱く優しい。ですので、情熱や気持ちというのは間違いなく伝わります。

私もさぬき麺機さんのうどん学校で色々と教えて頂きましたが…。正直に言いますと、自分でうどん屋をOPENして、残れる自信がなかったんです。

そういう訳で

「讃岐うどんは食べるのが一番(笑)」

となりました。

※写真は「多田製麺所」さんでのうどんを食べる風景です。

※「多田製麵所さんで食べるうどんが自分の日常です」と記者の大柴さん(写真左)。

 



 

ーー讃岐うどんは最高のコミュニケーションツール。

(大柴さん)

仕事柄、県内の経営者の方とお話をさせて頂く機会が多いです。地元でご活躍される経営者の方の多くは、自分の故郷とも言える、うどん屋さんがおありですね。

香川県民にとっては、讃岐うどんはそつのない話題のネタであり、最高のコミュニケーションツールです。

初対面の方でも、好きなうどん屋さんの話では盛り上がれますね。

このうどん屋さんが美味しいとか、讃岐うどんの技術的なこと、うどん屋さんの最近の麺のコンディションの話まで。共通して言えることは、皆さん、讃岐うどんを愛していらっしゃいますね。

各々の生活に密着している、讃岐うどんだからこそ、思い入れがあり、熱くなれるのでしょう。

まさに香川県民にとって、讃岐うどんというものは、神聖で唯一無二のモノだと感じます。

※写真は「多田製麺所」さんでのうどんを食べる風景です。

※「讃岐うどんは緻密に計算された技術が詰まった芸術品です」と大柴さん。

 

 

 

ーー変わらないことが魅力。

(端山さん)

私どもは42年続く地元経済誌「かがわ経済レポート」や香川のWEBニュースメディア「かがわ経済ニュース」を発行運営しています。

社内の会議でも、香川県内企業の多くは変化の波に直面している、というような話を社員同士で頻繁に話しています。

もちろん、讃岐うどん業界も若い世代のご主人を中心に変化しています。SNSやYouTubeの普及で情報発信について、ここ数年で大きく変わったと思います。

でも、SNSで頻繁に発信しているうどん屋さんに実際に食べに行くと、讃岐うどんの伝統や精神性を引き継いだ、スタンダードな美味しさがあります。

ここは、私の幼い頃から変わっていないように思います。

進歩しながら、伝統は守り続けられている。変わらない美味しさも、讃岐うどんの魅力ですね。

※三木町の「味泉(みせん)」さんでうどんを食べる端山さん(写真右)。

 

 

 

ーー若いご主人が活躍。魅力ある讃岐うどん店の新世代。

(端山さん)

個人的にはカマ喜riさんや三好うどんさんのように、女性が自然に入れるうどん屋さんが増えてきていることが嬉しいですね。

香川県のうどん屋さんは

「安くて、早くて、おいしい」

が基本ですが、小さい子供を連れて行って、ゆっくり食べても大丈夫なうどん屋さんが増えたことが有難いです。

あとは、子供用のスプーンや椅子も用意してくれているうどん屋さんも多く、親切なお店が多い印象です。小さな子供と長居すると迷惑だと思って、子供も急かせながら、食べることが多いのですが、店員さんからは

「ごゆっくり、どうぞ」

と優しく言われることが多いですね。

なので

「安くて、早くて、おいしい、接客も抜群」

というのが、私が持っている最近のうどん屋さんのイメージです。

※写真は「三好うどん」さんの店内です。

※店内はもちろん、どんぶりや小物もお洒落なカフェのようなうどん屋さんも登場。写真は三好うどんさん。

 

 

 

ーー若いご主人がつくる讃岐うどん店のコンセプトの秀逸さ。

(大柴さん)

最近の若いご主人の方々がつくるうどん屋さんはうどんの美味しさはもちろん、ロケーションや情報発信など数々の工夫が凝らされています。

私も一時は、うどん学校に3ケ月通って、開業のノウハウを学んでいましたので…。今の若い世代のご主人の発想の巧みさやお店の見せ方等は本当に計算されつくされていると感じます。本当にスゴイの一言です。

これから、新しく開業するセルフのうどん屋さんは美味しいプラス安いことが前提条件=当たり前になりつつあります。

そのうえで、プラス αの個性がなければ、うどん激戦区の香川県では残っていけません。

見せ方やアイデア等は他業種ですが、大変勉強になります。

また、うどん屋さんと他業種のコラボイベントも個人的に楽しみのひとつなんですよ。都会では割と多いのですが、最近の香川県のうどん屋さんも新たなアイデアを取り入れたコラボ企画が生まれています。

うどん屋のご主人さんたちだけでネットで楽しそうに遊んでいる姿はうどんファンとしても楽しみです。

コラボイベントは個人的に楽しみのひとつなんですよ。

※写真は「味泉」さんでうどんを食べる風景です。

※大柴さんと端山さんのうどんトークは止まりません。

※写真は「ダシー1グランプリ」の写真です。

※うどん屋のご主人たちが集結。讃岐うどんマニア渇望のイベント「ダシー1グランプリ」のようなネットイベントも開催。

 

 

 

ーー記者視点で考える讃岐うどん。

(大柴さん)

讃岐うどんというのは、最高のコミュニケーションツールであると同時に、香川県への集客という意味での貢献度は計り知れないと思います。

讃岐うどんは間違いなく、香川県の観光需要を支えているといえます。

ここ1年はコロナ禍でうどん屋さんは大変苦労され、売り上げも大きく落ち込みました。でも、コロナ前まで香川県への観光客数は増加傾向にあります。

よく言われておりますが、讃岐うどんブームが落ち着いたというより、全国的に讃岐うどんというカルチャーが定着したのだと思っています。

新型コロナ収束後、讃岐うどんがさらなるムーブメント、お祭り的に盛り上がるには県はもちろん、国の支援や施策が大切だと思います。うどん屋さん単体や県内企業だけでどうにかなることではないように感じています。

コロナ禍で大変な時期を乗り越えつつある、うどん屋さんや県内観光業を支援することは公の機関に期待される重要な役割ではないでしょうか。

※写真は写真は「味泉」さんの「肉ぶっかけうどん」です。

※写真は「味泉」さんの「肉ぶっかけ」。さっぱりとしてクセになる。大柴さんのおすすめメニューです。

 

 

 

ーーこれからの讃岐うどん。

(大柴さん)

私もいち記者として、県内で色々と取材を進めていますが、昨年からのコロナ禍の影響は大変なものでした。

とにかく、香川県には讃岐うどんが必要です。

私たちの心の故郷とも言える、うどん屋さんがこれまでよりもさらに元気に。減少していた店舗数も回復するように、何かのかたちで応援が出来ればと考えています。

幾度かの讃岐うどんブームを超えていけるような、讃岐うどんのお祭り的なムーブメントをもう一度、手繰り寄せられるように。

微力ですが、頑張っていきたいです。また、かがわ経済レポートとかがわ経済ニュースもよろしくお願いします。

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この記事を書いた人

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