坂出市京町「こむぎや」〜瀬戸大橋開通から坂出市と共にあり続けた人気店の復活〜
瀬戸大橋開通から坂出市で営業されている老舗うどん店「こむぎ屋」さん。
一時期、閉店しておりましたが地元お客様の期待を受けて、満を持して2021年7月に再OPEN。
店主である片岡さんにうどん作りのこだわりや「こむぎや」を再開するまでのお話をたっぷりと伺いました。
※旧店舗が「こむぎ屋」で営業再開後は「こむぎや」表記だそうです。
坂出市京町「こむぎや」〜瀬戸大橋開通から坂出市と共にあり続けた人気店の復活〜
ーー父が開業した名店「こむぎ屋」。
以前は私の父親が坂出市内で「こむぎ屋」を開業しました。
開業したのが、ちょうど瀬戸大橋が開通した年でしたので、坂出市内も活気がありましたね。当時は周辺にお酒を飲む店も多くて、お酒を飲んだ〆に当店を利用してくださるお客様も多かったんです。
景気の良い時代で、「こむぎ屋」もお昼から深夜まで営業してましてね。坂出市内の多くのお客様に可愛がって頂いたうどん屋だったと思います。
また、当時は坂出市内に製麺所やうどん屋もかなりの数がありましたが、今はほとんど閉めちゃいましたね。本当に寂しい限りです。
ーー「こむぎや」の復活まで。
私の父も年齢的に体力的にもしんどくなってきましたので、「こむぎ屋」を閉めることになりました。ほどなくして、セルフうどん屋さんにテナントでお貸ししてましたが、そちらも事情があり、辞められましてね。
この建物自体はウチの持ちビルでしたので、遊ばせておくのが勿体無いという理由で「こむぎや」を再開しようと思いました。
私自身は学校を卒業してから、ずっと郵便局員でしてね。30年以上やりましたので、さすがに郵便局員の仕事も飽きちゃいますよね。
「もう、いいかなと(笑)」
郵便局員さんたちのお仕事も大変でね。四国内で転勤もありますし、かなり忙しいんですよ。幸いに管理職も長くさせて頂けまして、人間関係に少し疲れましたが色々と勉強させて頂きました(笑)。
うどん屋のような個人事業主なら、自分のペースで出来ますから。
自分のペースで残りの人生を頑張ってみたいなと思いました。
私はうどんづくりの経験がほぼありませんでしたので、まずは父親にうどんづくりの現場に戻ってもらうように説得しました。私もうどん職人として、一からのスタートで勉強しました。
もちろん、今も勉強中ですよ。
あとは恩返しというと大袈裟ですが、坂出市中心部のうどん屋さんも減りましたからね。
自分もやれるうちはやろうか、という思いがあります。
ーー開業準備からOPENまで。
自分のことを簡単に言いますと、経営者兼見習いです(笑)。
私以外は、父がやっていた時代のスタッフさんでほとんど同じ方ばかりです。
父親には、うどんづくりをやってもらいまして、それ以外は自分がやるしかないですから。
もちろん、うどんづくりも自分で覚えながら研究勉強しています。自分は経験の多いスタッフさんに助けてもらえて、本当に幸せだと思います。
店舗づくりは自分と義弟の2人でDIYでやりました。
机や椅子等、色々と業者さんへお願いすると、物入りですから。自分でホームセンターで木材や釘やネジをひと通り買ってきて、日曜大工みたいにコツコツやってました。
開業ギリギリまで、郵便局のお仕事してましたから。OPEN準備だけでもかなり時間がかかりまして、半年以上かかりましたね。
ーー「こむぎや」復活までの反応。
「こむぎや」を再開するということを誰にも言わずに店内工事を土日で進めてましたね。
OPEN4ケ月前に店頭に「こむぎや」再開しますと貼り紙したんですけど、そこからご近所の方をはじめ、色んな方がお店に入って来て、
「いつから、はじめるん?」
「はよ、工事して再開してよ」
ありがたいことにそういうお声をほぼ毎日頂けまして、改めて長くご近所さんに可愛いがられたうどん屋だったんだと感じました。
毎日、開店準備とうどんの修行に追われてましたので…プレッシャーみたいなのは全くなかったですね。
ーーついに再開。「こむぎや」OPEN。
おかげさまで予想以上に、たくさんのお客様に来て頂いてありがたい毎日です。
昔から、客層が広く、お子さん連れや学生さんにお年寄りと色々な方達に変わらずに来て頂けています。
何でこんなに来てくださるのかなと色々聞いてみると、どうやら、ご近所の方々が口コミで宣伝してくれてたんですよ。
「こむぎやさん再開したから、一回行ってみて」
みたいな感じで、ご近所さん伝いに広まって昔の常連さんや学生さんだった方が家族を持って、お子様と来てくださったりね。おかげさまで毎日、忙しくさせて頂いています。
只、忙しくし過ぎて、父に負担もかけられないんで。自分も踏ん張らないといけないと思っています。
ーーうどんのこだわり。
これは出来たてをお客様に提供することです。
もう、それに尽きるんではないですかね。
当店では茹で上がってから、20分経過したうどんはお客様に出しません。そこをケチって、まあいいかと時間の経過したうどんを出すと、お客様は来なくなりますよね。お客さまは敏感ですから、分かります。天ぷらも同じで、セルフうどん店のように冷めた天ぷらでなく、揚げたての天ぷらを食べて頂きたいじゃないですか。
もちろん、セルフうどん店が悪いかとか、そういうことではありません。
自分が冷たい天ぷらが苦手なことと、食事を食べさせられてる感が嫌なんです。何か作業のように短い時間で食べてもらうというのが、性に合わないんですよ。
自分がもしもお客様だったら…という視点で考えていくと、うどんも天ぷらも出来たてが一番で美味しいし、嬉しいですよね。
「食べに来て頂いて、ありがとうございます」
みたいなうどんを出す、うどん屋でありたいです。
ーー人気メニュー「えび天うどん」。
当店の「えび天」はかなり大きいんですよ。
以前からの看板メニューと言いますか、一番か二番目に良くでるメニューです。女性やお子様まで幅広くご注文を頂いています。
以外と女性一人のお客様も多くて、そういう方の多くは「えび天うどん」を注文される方が多いですね。こういう女性客の皆様が口コミで広げてくださっているのかなと勝手に思っております。
この「えび天」の海老もね、一時期手に入らなくなったりと大変なんです。、結構ギリギリのところでやっていると思います。
価格も以前の時と変えてませんのでね。最近はコロナや色々な情勢の関係もあり、小麦等の原材料や運送費も上がりますから。お客様からも
「この価格で大丈夫?」
と心配されますけど、やれる範囲でやろうと思っています。
ーー「こむぎや」を支えてくれる常連さん。
実は女性のお客様の数がかなり多いと思います。
大抵は「えび天」か「鍋焼きうどん」を注文されることが多い印象です。セルフ店ではないので、結構皆さんゆっくりされると言うかね。お酒飲まれたりね、時間を気にせず寛いで頂いています。
毎週末のこの時間に来られて、このメニューを注文されるとか、おでんをあてにビール飲まれるご近所さんも非常に多いですよね。
小麦粉は坂出市の木下製粉さんの小麦粉を使ってます。木下製粉の木下社長も同じ坂出市内なので、ご夫婦で頻繁にご来店してくださっています。昔から、気にかけて頂いて木下社長のブログにも何度か取り上げて頂きました。
なので、県外の方の割合はかなり少ないと思います。
ーー定番「きつねうどん」。
油揚げも豆腐も宇多津町の「くぼさんのとうふ」を使わせて頂いています。
やっぱり美味しいですね。
「きつねうどん」やおでんの豆腐をアテにビールを飲まれる方も多いです。
こちらもぜひ、お召し上がり頂きたいですね。
ーー最後に。
地元坂出市に密着した、普通のうどん屋だと思います。
瀬戸大橋開通の時代から、坂出という町と一緒にありましたから。このまま、坂出市と共にいつものお客様に可愛いがって頂きながら、マイペースで続けていきたいです。
経営者兼うどん職人見習いですが、経営者兼うどん職人としても本当の意味で独り立ちしなければいけませんね。
本当にお客様はもちろん、父親やスタッフの皆さんに取引業者さんに感謝を忘れないように変わらない「こむぎや」でありたいですよね。
こむぎや | |
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住所 | 〒762-0001 香川県坂出市京町2丁目4−50 |
電話番号 | 0877~55~5280 |
営業時間 | 11:00〜15:00 ※休みは火曜日・水曜日 |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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