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讃岐うどん CLAPクラップ

丸亀市綾歌町「香川屋本店」~讃岐うどん「むかし」と「いま」香川社長インタビュー~

2019.04.11

正真正銘の讃岐うどんをつくり続ける「サヌキ食品㈱」。

今回は「サヌキ食品㈱」のアンテナショップでもある「香川屋 本店」を取材。香川社長に讃岐うどんづくりの「昔」と「今」について、お話し頂きました。

丸亀市綾歌町「香川屋本店」~讃岐うどん「むかし」と「いま」香川社長インタビュー~

ーー昔ながらの讃岐うどんとは。

全て手作り、手作業だったということです。機械がない頃から、私の父も手でうどんづくりをしていました。

当然、私もそれを見てきましてね。よく言われる「昔ながらの讃岐うどん」というのは、手作業でつくったうどんと風合いが近いことを指しますね。

※平日も行列が出来るほど繁盛店「香川屋 本店」。うどん職人の名人を多数輩出しています。

 



 

ーー手作業でつくるうどんは「コシ」と「歯切れ感」が抜群。

手作業でつくる場合「コシ」と「歯切れ感」が抜群です。

「コシ」は良質なグルテン、生地の弾力を指します。特に「踏み」の段階では、生地を鍛えなければいけません。グルテンが破壊されない程度に、生地を踏み過ぎないようにします。絶妙な職人の加減が必要です。

「歯切れ感」というのは、麺を噛んだ際に表面の生地がこらえようとしますね。ある一定の段階まで噛むと、パチンと切れる…弾ける食感。これが「歯切れ感」です。

※写真は香川屋本店「ぶっかけうどん」の麺。歯にまとわりつかない「歯切れ感」も抜群。

 

 

 

ーー手作業でつくるうどんが美味しい秘密。

手打ち、手切りのうどんは「生き物」に近いと言えます。

例えば、生地を丸く延ばす際にも、中心部分は厚みがあり、端の方は薄くなります。さらに、手切りの不確定な力で切った麺を釜で茹でると、同じひと玉でも、微妙に太さ細さが違って様々な食感が生まれます。

機械のうどんは、手打ちよりも品質は均一ですが、どうしても食感は単純です。

※「うどん職人に必要なことは加減の感覚を養うこと。」と香川社長。

 

 

 

ーーおいしい讃岐うどんの見分け方。

「かけうどん」を食べて、美味しい店は大丈夫ですよ(笑)。

実は「かけうどん」は一番、うどんの欠点が出やすいメニューです。ある意味では、ごまかしが効かないメニューなので、職人さんの基礎が良く分かると思いますよ。

※昔のうどんは柔らかさと弾力を追求し、現代のうどんは「もちもち感」と「コシ」のバランスを重視しているそうです。

 

 

 

ーー「かけうどん」の魅力。

「かけうどん」は麺に熱が入り、熱い出汁で食べますよね。麺の劣化が他メニューよりも断然早いんですよ。出汁も手抜きすると、すぐに臭みやエグみのマイナス面があらわれますね。

だからこそ、「かけうどん」は本当に手抜きが出来ません。逆に言うと、冷たいうどんの「冷や系」はごまかしが効くんですよ。

※「かけうどん」は讃岐うどんの基本中の基本。手抜きがすぐにばれるメニューだそうです。

 

 

 

ーー小麦粉について。

当店の小麦粉はASWと国産小麦をブレンドしています。簡単に言いますと、ASWは「歯切れ感」が出やすい小麦粉で、国産小麦は「もちもち感」が出やすい小麦粉と認識しています。

ASWが流通する前は、讃岐うどんは国産小麦のみでした。国産小麦と言っても、自分の畑で収穫した小麦ですから…なので、昔の讃岐うどんは実は「もちもち感」の方が大事でしてね。現代ほど「コシ」のことは、そんなに言っていなかったように思いますよ。

※写真は香川社長。お忙しいところ、讃岐うどんについて、丁寧にご教授頂けました。

 

 

 

ーー香川社長おすすめメニュー。

「ぶっかけうどん」です。出汁のいりこには「オリーブいりこ」を使用しています。

「ぶっかけうどん」のやや甘めの出汁は「オリーブいりこ」の良さが前面に出ていると思います。「オリーブいりこ」を使っている店はかなり、少ないと思いますのでオススメにしています。

※香川社長のオススメは意外にも「ぶっかけ」。「かけうどん」と食べ比べるのも、面白いですよ。

 

 

 

ーー「オリーブいりこ」採用のきっかけ。

実は当社に若い事務員の女性社員がおりましてね。

その女性社員が「いりこ」の臭いがダメで、かけ出汁が苦手なんです。「いりこ」が苦手な人でも、讃岐うどんが食べられて、かけ出汁が好きにならないかと考えていました。

※写真は「オリーブいりこ」。通常の「いりこ」よりも生臭さや雑味が大幅に改善されています。

 

 

 

ーーはじめて食べた「オリーブいりこ」。

香川県水産試験場の担当者と雑談してまして

「社長、これ食べてみてください。」

といりこのハラワタを渡されて、食べてみたら苦みがなかったんです。それが「オリーブいりこ」だったんですね。それで、うどん出汁をつくってみようと思いました。

いざ、作ると苦みや雑味が少なく本当に食べやすかった。「いりこ」の苦手な女性社員も、かけ出汁が食べれるようになりましたので、ひと安心です(笑)。

※全ての出汁で「オリーブいりこ」を使用。「ぶっかけ」だけでなく、「かけ」にもたっぷり入っています。

 

 

 

ーー「香川屋」から優秀なうどん職人が生まれる理由。

手作りを基礎としており、手作業の感覚を自分のものに出来るプログラムで育成してます。

社内で「ねり」や「踏み」の項目を細かく定義しています。そこで、品質の安定化を図っています。

基本的にうどんづくりの環境は、気温や湿度等、毎日違いますから、毎日同じうどんを作ることは、ほぼ不可能に近いんですよ(笑)。それを、職人の加減で毎日、同品質のうどんを作れるようにしています。

※写真は「ぶっかけうどん」。うどんはしっかりとエッジが立ち、美しい麺線を描いています。

 

 

 

ーー最後に一言お願いします。

「香川屋」は手打ちと手切りを基本にしています。

基本を守って、誠実な真面目な讃岐うどんを作り続けていると思います。ぜひ、当店の手作りの讃岐うどんをご賞味ください。夕方の18時30分までやっていますので、お気軽にどうぞ。

※高松空港からも車で15分程度。県外の方は是非。ホンモノの讃岐うどんをお楽しみください。

 

 

香川屋本店
住所 〒761-2406 香川県丸亀市綾歌町栗熊東469-1
営業時間 10:00~18:30  ※休みは第1火曜日。

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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