高松市円座町「宮武うどん」~伝説と呼ばれたうどん作りを取材~
高松市円座にあります「宮武うどん」さんを取材。琴平の名店「宮武うどん」さんが高松で2011年に見事に復活しました。伝統あるうどんづくりについて、たっぷりとお話し頂けました。
高松市円座町「宮武うどん」~伝説と呼ばれたうどん作りを取材~
ーーうどんづくりのこだわり。
うどんづくりの工程はすべて大事です。
どこかの工程で一度でも失敗すると、うどんはダメになりますから。小麦粉は不純物のないASW(オーストラリア産)です。日々状態も違いますので、毎日の気温や湿度も見極めながら打ちますね。
しいて言ますと、大切なことは水加減ではないでしょうか。もちろん、うどんづくりの工程全体で調整しながら「宮武のうどん」をつくりますが、水加減がうどんにあたえる影響が一番大きいと思います。
機械を一切使わずに手作業でつくる、うどんづくりというのは空気を含みやすくなりますから尚更ではないでしょうか。
ーー讃岐うどんマニアも納得の味。
毎日来て下さるような方もいて、本当に有難いですよね。とにかく伝説とまで言われたお店を引き継ぎますから、半端な気持ちでは出来ないプレッシャーもありました。
ーー宮武うどんといえば独特の「ちぢれ」。
「ちぢれ」の要因は麺切りの際にカッターを使わずに専用の手包丁で切ります。切る時に力加減は均一のつもりでも、実際は1回1回の力加減が微妙に違います。人間がすることですからね。
また、正方形にのばして、うどんを切ることで長さも不揃いになります。それがうどんの「ちぢれ」の要因ではないでしょうかね。
ーー「ちぢれ」と「ねじれ」が宮武うどんの代名詞。
「ねじれ」はうどんを釜で茹で上げる時に棒でかき混ぜた副産物ですね。
「ちぢれ」のある不揃いのうどんを釜の中のお湯の対流に合わせてと棒で混ぜあげると、絡みつきます。これが「ねじれ」の要因と思いますけど、科学的にはわかりません(笑)。
ーー宮武うどんの楽しみ方。
やはり、すべて手作業でつくるうどんだということに尽きます。今の時代、機械の精度もあがっていますから、機械でつくるうどんはとても綺麗です。
ですが、当店に来て頂いたからには昔ながらの純手打ちを楽しんでいただきたいですね。
「ちぢれ」や「ねじれ」、コシ等色々と楽しんで頂きたいところはありますが、機械との大きな違いはうどんに「空気」が含まれていることです。機械と手作業でつくる、決定的な差は「空気」です。
握り寿司を思い出してもらえればわかりやすいかと思います。職人が握る寿司のシャリは適度に空間があり、口にいれると、ほどけますよね…あの感じです。
当店のうどんは「ちじれ」や「ねじれ」のことを言われますが、意外に柔らかく、独特の弾力とコシがあります。機械ではどうしても出せないうどんが当店のような、手作りの「昔の家庭のうどん」にはあると思います。
もちろん、機械でつくるうどんは綺麗で整っています、ですがウチはそこを目指していません。当店のうどんはあくまで、昔の家庭料理のひとつである讃岐うどんであるべきと思っていますから。
ーー県内でも包丁切りでうどんを切るお店は少ない。
香川県内でも10店舗くらいではないでしょうか。先代の使っていた、まな板も入り口に展示しています。そちらのまな板を見て頂きますと、まな板の中心部からほぼ均等にえぐれて、すり減っています。
当店で使用しているまな板も同じ銀杏(いちょう)の木で作っていますが、比較すると、すり減り方が均等ではないんです。自分も含めて、これまでいろいろな修業に来た弟子が麺切りしていましたがやや左手付近が深くすり減ってます。
麺切りの終盤に力むことが多く、力の入れ方が均等ではないと言えますね(笑)。
ーー機械を使用しない、本当の昔ながらの手作りの讃岐うどん。
そうですね。機械でつくるうどんが良い悪いということではありません(笑)。
当店のうどんは不揃いで弾力がある、そして、ちぢれとねじれを楽しんでいただければと思いますね。手作業で作るうどんは機械でつくるよりも空気を含みます。
空気を含んだうどんは独特の弾力とうどん自体にほのかに甘みが感じられます。特に「しょうゆ」で召し上がっていただくとうどん自体の甘みをより感じて頂けると思います。
ーーお忙しいところ、ありがとうございました。
いえいえ。こちらこそ、ありがとうございます。
宮武うどん | |
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住所 | 〒761-8044 香川県高松市円座町340-1 |
電話番号 | 087-886-0939 |
営業時間 | 9:30~15:00 (麺がなくなり次第終了します) ※休みは水曜日 |
公式サイト | http://www.miyatakeudon.com/ |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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