高松市楠上町「麺匠 くすがみ」気がつけば教わっていた〜名物つけめんと「くすがみ」の日常〜
つけうどんやねぎが主役の名物メニューが人気の高松市楠上町の「麺匠くすがみ」さん。
多くのファンの方に支持されている人気店ですが、実は讃岐うどん業界でも珍しい特別な店舗形態だそうです。
SNSでもお馴染みの店長横田さんに取材させて頂きました。
高松市楠上町「麺匠 くすがみ」気がつけば教わっていた〜名物つけめんと「くすがみ」の日常〜
ーー「麺匠くすがみ」について。
実は「麺匠くすがみ」は業界でも、珍しいうどん屋の形態だと思います。
当店は障害者の方に多く働いて頂いております。
「就労継続支援A型事業所」と言いまして、障害者の方と利用契約と雇用契約を結ぶ、障害福祉サービスを行なっているうどん屋なんですよ。
私が以前勤めていた職場が、社会福祉法人の竜雲学園さんが運営する「竜雲うどん」さんでした。
「竜雲うどん」さんが香川県内初の「就労継続支援A型事業」を始めるにあたり、当時のプロジェクトメンバーとして携わる事となりました。また、お土産用の半生うどんの製造や販売、営業にも携わっておりました。
福祉の仕事をしているのに、うどん、うどんの日々…。
それの一日一日が楽しくて、福祉もうどんの両方が自分の天職ではないかと思えるようになって来たんですね。
当時、私がうどん屋事業に配属された理由が
「声が大きくて、いつも元気だから」
ということでした(笑)。
人生分からないものですね!
ーー「麺匠くすがみ」の立ち上げ。
福祉関係の仕事しかしてきませんでしたので、「竜雲うどん」さんで仕事をするまで、うどん屋とは無縁の人生でした。
その後、ご縁があり転職して現在の会社で「麺匠くすがみ」のうどん事業を「就労継続支援A型事業」として、立ち上げから任されることになりました。
プレッシャーが非常にありましたが、本当に嬉しかったですね。
組織ですから定期的に部署異動が伴います。私はうどん屋に携わりたい気持ちが強くなりすぎてしまって、転職して現在に至っています(笑)。以前の職場の皆様には、今でも可愛がって頂けていますので、感謝です!
立ち上げは自分と代表、それにもう一人のうどん職人さんと一緒に、障害者事業所のうどん屋として「麺匠くすがみ」がOPENすることとなりました。
早いもので、2022年9月で6年が経ちますね。
うどん作りについては、今も日々勉強しながらやっております。周囲の皆様や職人さんにサポートして頂いています。
日々勉強とうどんの食べ歩きの毎日です(笑)。
ーー障害者の人たちとのお店づくり。
障害者の方と毎日仕事をしています。
障害者の皆さんは本当に素直で一生懸命なんです。未熟な自分にもついて来てくれるんです。
その一生懸命さやひたむきな気持ちは、自分の心に響きます。
当店は、美味しいうどんをお客様に提供するのはもちろんですが、障害者の方々に仕事を提供することも並行してやっていかなければいけません。
だから、仕事を自分が全部やってしまうとダメなんです。
彼ら彼女らたちと一緒に仕事をするんです。
障害者の方に教えて伝えて、仕事が出来るようになってもらわないといけません。
営業時間中も色々と伝わるように工夫しています。
例えば、重さを測る仕事を教える際には
「どう伝えたら、出来る様になるのか」
本当に自分の伝え方次第で出来る、出来ないが決まります。
障害者の皆さんは覚えようと出来るようになろうと一生懸命ですから、出来ないとすれば自分の責任です。
障害者の皆さんも仕事を覚えて出来るようになると、笑顔になるんですよ。その気持ちは、全身から伝わります。彼ら彼女たちも、自信がついて、生き生きと仕事に励んでいるのが分かるんです。
教えていると思っていた自分自身が、実は教わっていたという感謝と気づきの連続です。本当に自分が日々勉強、成長させてもらっているんです。
だから、当店は、彼ら彼女たちが主役なんですよ。
ーー人気メニュー「ホルモンつけめん」。
香川県内では、うどん屋さんが500店舗以上あると言われており美味しい。さらに、それぞれのうどん屋さんにはお客さんがついています。
うどん激戦区の香川県では、スタンダードな讃岐うどん店では、お店を続けていくことは難しいだろうと思っていました。
そこで、看板メニューでインパクトのあるものを採用しようと思って「つけ麺」をメインで行くことにしました。OPENした頃は、今よりもまだ「つけ麺」を提供しているお店も少なかったです。
一番人気は「ホルモンのつけうどん」です。
簡単にいうともつ鍋のうどんですね(笑)。変化球メニューですが、香川のうどん屋なので、色々とこだわりたいじゃないですか。
当店のうどんは出汁とのマッチングが良く、絡みやすいうどんを熟慮して考案しました。加水を抑えて、自然と麺が出汁を運んでくるようなイメージのうどんです。加水低めなので、しっかりとした出汁の旨味を麺に乗せて味わって頂けると思います。
また、期間限定で色々なメニューもご用意していますので、毎日来て頂いても飽きませんよ(笑)。
ーー地域に密着したうどん屋。
出来るだけ地域に密着したうどん屋でありたいですよね。
ご来店して頂いているお客様は近隣住民の方がほとんどですし、契約農家さんからは、毎日ねぎをお届け頂いたりと本当に多くの皆様に支えられて店が成り立っています。
当店は立地的に閑静な住宅街でマンションや転勤で住まわれている方が多い地域です。近隣の方から、よく声をかけて下さったりして頂いています。普段使いはもちろん、大切なお客様の接待で来て頂いたり、お知り合いの方をご紹介頂いたりと本当にありがたいですね。
コロナ禍の大変な時期も、近隣住民の方々が変わらず食べに来て下さったり、激励の言葉もたくさん頂けて…本当に感謝しかありません。
ーー「ねぎ肉うどん」は脇役がメイン。
看板メニューはつけ麺ですので、他メニューでは地域に根ざしたメニューを提供したいなと思っていました。
私はねぎが大好きなんですよ。
ねぎという食材は脇役に見られがちですが、あえて脇役をメインに持ってきました。当店のねぎは地元の契約農家さんから、毎日届けて頂いています。
地元農家さんのねぎは、味はもちろんですが、香りが凄いんです。農家さんが朝早くから、手を真っ黒にして収穫して下さった絵が浮かぶ美味しさです。
肉よりも目立つように、いやそれ以上にねぎをどっさりと入れています。ねぎはビタミンCやカルシウムも豊富で栄養価も高いので、健康面においてもおすすめです。
ーー讃岐うどん業界を盛り上げたい。
2022年に開催された「うどんコレクションスタンプラリー高松」に当店も参加させて頂きました。
そのおかげで、多くのうどん屋さんと交流ができて、一人ではないんだなと感じました。参加されたうどん屋さんの店主さん達も同じような悩みを抱えていらっしゃることが多く、色々とご相談にも乗って頂けています。
自分は店主やオーナーではないですし、職人歴も長い方ではないのですが、そういうことも関係なく、スタンプラリー参加の店主さんたちは、本当に暖かく迎えてくれました。
「くすがみ」はもちろんですが、香川県のうどん業界全体が盛り上がることがあれば、自分も積極的に動いてきたいです。
ーー最後に一言。
現在、高松エリアでうどんコレクションスタンプラリーを開催してまして、残り一ケ月のラストスパートの時期となりました(※2022年8月末現在)。ぜひ、そちらもよろしくお願い致します。
毎日、一生懸命、楽しくやってますのでお気軽にお越しくださいね!
麺匠くすがみ | |
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住所 | 〒760-0075 香川県高松市楠上町2丁目6−36 |
電話番号 | 087-880-5496 |
営業時間 | 10:00〜15:00(LO14:30) ※休みは火曜日 |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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