ーー讃岐うどん店「七福(しちふく)」の由来は。

来て頂いたお客様に「えびす顔」になって、本当に満足して頂きたいという意味です。えびす様のように嬉しそうに目を細めて、にこやかになって貰う「讃岐うどん店」を目指して、日々営業しています。本店は高松市にあり、当店の別邸は坂出市にあります。

※店内も広く、座敷も完備している「めんや七福別邸」はフルサービスの一般店。高松市の本店はセルフサービス店です。

ーー讃岐うどんを楽しみに来店したお客様にすること。

当店は来店して頂いたら、まずはご注文をお伺いします。

これは、一人一人のお客様とのコミュニケーションを大切にしたいからです。注文したお客様の顔が厨房からも、見えるようにしています。お客様の体調や性別、年齢等でご注文頂いたうどんをよりお客様の好みにあわせたいからですね。県外の方は讃岐うどん店はこわいと思われる方もいらっしゃるかと思いますので、とにかく丁寧に接客しています。

※「めんや七福別邸」さんは来店したお客様にまずはご注文をお伺いされます。

ーーお客様に「えびす顔」になって頂くために。

お客様一人一人に最高の一杯をお届けしたい気持ちで営業しています。最初にメニューをお伺いするのですが、お客さん毎に微調整して提供しています。

例えば、暑い日で汗をたくさん掻いて来店されたら同じメニューでも、出汁等の味付けを気持ち濃くしたり…肉体労働をされて、お腹を空かせていそうな方にはうどんの量を気持ち多めにしたりと…。「讃岐うどん店」としての基本は変えずに、その瞬間でいかに「讃岐うどん」を楽しんで、また喜んでいただけるかを実践しています。

※坂出市にある「別邸」のうどんは中讃の方が好きな、昔ながらの中太麺。本店はやや細目にしてるそう。

ーー讃岐うどんのこだわり。

小麦粉は当店オリジナルのブレンドです。うどんは夏場と冬場で小麦粉の配合を変えています。

具体的には国産小麦2種にASWともう1種プラスaしています。プラスaの小麦粉は企業秘密です(笑)。このプラスaを夏場はこれ、冬場はこれを加えてと使い分けています。

香川県内の讃岐うどん店はどちらも々だと思いますが、自分達が「美味しい」と思える讃岐うどんを出したいですからね。

※「うどんを茹でる時は絶対にうどんから目を離さないようにしてます。」と茹で上がった麺のエッジや麺線を確認する店長藤田さん。

ーー「めんや七福」の讃岐うどん。

全工程手を抜かず、丁寧につくることが基本だと思います。

当店のうどんは前日に練って、翌日鍛えなおして提供しています。宵練り(よいねり)ですね。1日しっかりと寝かすことが、当店のうどんの良さが最大限生かされます。コシや弾力はもちろんですが、特に茹で上がりの色と喉越し、麺肌迄こだわっています。

※目で見ても美味しい色と麺線。うどんづくりに使う水もこだわりがあり、独自の水を使用されているそう。

ーー人気メニュー「カツカレーうどん」。

元々オーナーがカレーうどんが好きなので、どうすれば満足して貰えるかを追求したメニューです。

今では「七福別邸」の看板メニューです。カレー出汁も納得するまで。試行錯誤の末完成しました。独自のスパイス調合からはじまり、何をいれれば喜んで貰えるかを追求しています。こんな讃岐うどんがあっても面白いですよね！

※看板メニュー「カツカレーうどん」。とんかつの豚肉は「三元豚」を使用。肉屋さんに特注されるほどのこだわり。

※「三元豚」のとんかつにピリ辛のカレーが食欲を刺激します。

ーー期間限定メニュー「すだちぶっかけ」。

丸亀市の「純手打うどん よしや」さんの人気メニュー「すだちひやひや」がありますよね。ちゃんと「よしや」さんからご了承を頂いてメニュー化してます(笑)。

少し自慢なんですが、当店のぶっかけ出汁は同業の讃岐うどん店の店主さんからも「美味しい」と褒められていたんです。それで「よしや」さんからも「『すだちぶっかけ』やって貰っても大丈夫ですよ」と仰ってくださったのかも知れません。嬉しかったですね。

※「すだちぶっかけひやひや」は気温が高い夏の期間限定の人気メニューです。

※徳島県から取り寄せている「すだち」。爽やかな香りとすっきりとした酸味は「七福別邸」さんのうどんと相性抜群。

※同業者からも評価の高いぶっかけ出汁をたっぷりかけて完成します。

※夏の人気メニュー「すだちぶっかけひやひや」。感動の美味しさは是非実食で。

ーー細部まで手を抜けない藤田さんのうどんづくり。

讃岐うどんづくりは男性的で、良い意味で大雑把なところが良しとされてると思います。私はそれが性格的に出来なくて、ついつい細かく几帳面になってしまいます(笑)。色々と細かいところが気になってしょうがないんです。

例えば、麺を切る時もやさしく切りすぎて、「既製品みたいな切り口やな」とオーナーから言われたり。そこは「七福」のうどんの基本は決して外してはいませんので、誉め言葉と思っています(笑)。

いつも、感じるのは讃岐うどんづくりは日々の勉強と積み重ねが大切だと思います。

※「お客様はもちろん、働くスタッフも七福ファミリーと思ってます。」と店長藤田さん。

ーー最後に一言。

うどんの味はもちろんだと思いますが、お客様あってのお店です。

はるばる県外から来てくださるお客様も多数いらっしゃいますので「香川県に来てよかった」「七福のうどんは美味しかった」と皆さんがえびす顔で良い思い出になればと思います。讃岐うどんに対して、良いイメージや思い出をつくって欲しいです。

毎日、来て頂けるお客様には「七福」がお客様の日常の讃岐うどんあり続けるようにと頑張ります。

※「すだちぶっかけひやひや」以外にも、注文時に季節限定のオススメメニューを相談してみるのも良いです。