愛媛県松山市は「鍋焼きうどん」の名店が多いそうです。

この「鍋焼きうどん」は甘辛い出汁に牛肉や玉子、ちくわや椎茸等様々な具材とうどんがアツアツのアルミ鍋に入って出て来ます。

一部、考察等も加えながらご紹介させて頂きます。

※愛媛県松山といえば道後温泉です。今回は道後温泉からもほど近い松山市内の「鍋焼きうどん」専門店をご紹介します。

●松山市の料理の味付けは甘い？

愛媛県の県庁所在地である松山市。

愛媛県では南予と呼ばれる、南側に行くほど甘い味付けになるそうです。

もともと、うどんに限らず、醤油や味噌も甘めの仕上がりが多いそうです。

味噌だけでいいますと、原料の大麦の一種「はだか麦」が有名です。

「はだか麦」は糖質やカルシウムは多く含まれ、南予の味噌もそれで作られることが多いようです。

南予といわれる愛媛県の南部には老舗の味噌メーカーがあり、いずれも甘い味噌が特徴だそうです。

※松山市内繁華街の銀天街。メインストリートである大街道の南側に銀天街はあります。

●1軒目は鍋焼きうどん専門店「ことり」さんの鍋焼きうどんを頂きました。

※「ことり」〒790-0012愛媛県松山市湊町3丁目7-2

銀天街の路地にあります老舗うどん店でメニューは「鍋焼きうどん」と「いなり寿司」のみです。

お会計は鍋焼きうどんが出てきた際に支払います。

開店時間の10時にお店に行きましたが、すでにお客様は入っており、食べ終わるまでには数組とかなりの繁盛店ぶりが伺えました。

撮影の許可と掲載の許可は快く快諾頂けましたが、忙しいので、お話しを聞くことは出来ませんでした、残念です。

さすが老舗の繁盛店です。

※銀天街の路地裏にある「ことり」さん。なべ焼きうどんの専門店です。

※「鍋焼きうどん」といえば、アルミ製の鍋に入って出てくるのが定番だそうです。

※懐かしさ満載です。出汁はかなり甘めで、具材は甘く煮た牛肉に油揚げに玉子焼き(錦糸卵)が乗っています。

※うどんはかなり柔らかめです。讃岐うどんのようにコシや弾力を楽しむというより、噛む必要のない柔らかさを楽しみました。煮込んでいますので、うどんに出汁がしっかりと沁み込んで、やさしい味に。

●2軒目は同じく銀天街の路地裏にある「アサヒ」さんです。

※「アサヒ」〒790-0012愛媛県松山市湊町3丁目10ー11

なんと「ことり」さんから徒歩10秒で到着します。

遠いご縁戚なのでしょうか。

「アサヒ」さんも「ことり」さん同様に10時過ぎでほぼ満席。

撮影の許可は頂けましたが、お話しを伺えそうにありませんでしたので、妄想で書いております(笑)。

創業当時は戦後ということもあり、甘いものが不足している中、「アサヒ」さんの創業者がご近所の方に甘い食べ物を提供したい一心ではじめられたそうです。

ここまではお店の方にも確認出来ました。

※ロケーションはほぼ「ことり」さんとほぼ同じです。

※「ことり」さん同様に民家の1階で「なべ焼きうどん専門店」を営業されておりました。

※昭和22年(1947年)ですので、創業70年超の老舗です。甘いものをご近所に提供したい一心だったそうです。

※「ことり」さん同様、アルミ製の鍋です。微妙にアルミ鍋の仕様が違うのも面白いですね。

※「アサヒ」さんの鍋焼きうどんは具だくさんです。甘く煮た牛肉にちくわやかまぼこに油揚げ。玉子は丸々ひとつ中央に落とされています。

※麺も柔らかく、噛まずともツルツルと食べやすいです。甘い出汁がうどんに沁み込んでいます。うどんと出汁が絡むというよりは、煮込むことでうどんに味がしっかりついている印象を受けました。

※玉子を割って食べると、出汁にも変化が感じられます。気持ち親子丼のような味付けになるような気がします。

●筆者のまとめ

ネット検索してみますと「ことり」さんも「アサヒ」さんもほぼ同時期に開業されたようです。

創業70年超えというと、香川県の讃岐うどん店さんでも滅多にない長さです。

訪問する前は讃岐うどんの影響を受けているのかな…と思っておりましたが、創業者の方のご近所様に「甘くて温かい食べ物」をという気持ちで始まっているようでした。

讃岐うどんとは違った良さを感じて頂けると思いますので。

もしも、松山市内を訪問する機会がありましたら、「ことり」さんと「アサヒ」さんのハシゴをオススメします。互いの店舗を徒歩10秒で行きき出来ますから。