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高松市番町「さぬき手打うどん 番丁」〜創業50年の節目に向けて今話すさぬきうどん哲学〜

2022.04.12

1972年9月に創業された「さぬき手打うどん 番丁」さん。

香川県庁や他官公庁から徒歩圏内の場所柄、お昼時ともなれば近くの関係者や会社員のお客さんで満席の人気店です。

うどんづくりのこだわりやおすすめメニュー、老舗うどん店ならでは番丁さんならではのエピソードもたっぷり伺えました。

高松市番町「さぬき手打うどん 番丁」〜創業50年の節目に向けて今話すさぬきうどん哲学〜

ーー創業について。

2022年でちょうど創業50年になります。

場所柄、香川県庁や高松市役所が近隣にあり、昔から役所関係の方に気軽に食べに来られる、食堂のような店舗を目指して営業していました。

創業した父の代から変わらず、構えずにふらっと来てもらえるような店として営業したいんです。

お役所関係の方々も大変お忙しいですし、お話を聞く限りではかなり激務ですから。

美味しいものをお腹一杯に召し上がって、リラックスして頂きたいですよね。

※営業の合間に取材のご対応して頂いたのは二代目店主の合田さん。

※使い続けた麺棒は中心部がすり減り、50年の歴史を感じさせます。

 

 

 

 



 

 

 

 

 

ーーうどん作りのこだわり。

こだわりは出来立てを提供することと手抜きしないことですね。

当店はセルフうどん店ではなく、一般店ですから。熱いものは熱いうちに召し上がって頂くのが一番美味しいです。

天ぷらにしても、ご注文を受けてから揚げるのはもちろんですし、うどんも創業から朝練りで作っています。

もちろん、朝練りが良いか、宵練り(前日に生地を作って一晩置くこと)が良いのかは、どちらもメリットとデメリットあります。

宵練りは楽をしている気がして、お客様に申し訳なく思ってしまうんですよ。

別に宵練りを否定している訳ではないんですよ(笑)。

当店はその日の朝にうどんを練って、当日中にお客様に提供すること。それが、手を抜かないというお客様への最大の敬意だと思っています。

※「番丁」さんのうどんは県産小麦「さぬきの夢」とASWを混ぜたもの。「さぬきの夢」ならではの美しい金色と小麦の風味と食味が感じられます。

※作り置きはされないため、ピークであるお昼12時はかなりの忙しさだそうです。

 

 

 

ーー看板メニュー「ミックスぶっかけ」。

毎日来ていただけるような常連さんは、冬場限定「しっぽくうどん」を召し上がられる方が非常に多いですね。

それ以外ですと「ミックスぶっかけうどん」を一番多く、ご注文頂いています。

当店の「ミックスぶっかけ」は天ぷらはとり肉、海老、イカの3種の天ぷらを乗せています。特にイカの天ぷらがご好評を頂いていますね。他のうどん屋さんでも、中々聞かないですよね。

また、驚かれるのが天ぷらとキャベツの千切りにマヨネーズをトッピングしています。天ぷら定食がぶっかけうどんに乗った感じですかね(笑)。

これは常連さんのリクエストに応えていったら、最終的にマヨネーズまでトッピングするようになった…という感じです。

初めてのお客様には驚かれることもありますね。

※名物「ミックスぶっかけ」大きな天ぷら3つ乗っても、リーズナブルな価格です。

※天ぷらの下にキャベツを敷いて、マヨネーズをたっぷり。天ぷらとマヨネーズの相性も抜群です。

※もちろん天ぷらも揚げたてサクサクで美味しい。

 

 

 

ーー高松の中心部で変わらずに50年営業する老舗。

創業のきっかけは単純にこの辺りにうどん屋さんがなかったので、それでうどん屋をやってみよう!と言うことで父が始めました。

ご近所のさか枝さんも、当時は製麺のみで食堂の形態では営業されてなかったんですよ。この辺りだと、老舗の部類に入るかも知れませんね。

場所柄、お客様は県庁の職員さんが多いですよね、歴代の香川県知事ももれなく食べに来て頂けています。

県庁が近い関係で著名人の方や要人の方々が食べに来られることもあります、当店は超が付くほど、庶民的なうどん屋ですので、少し気を使います(笑)。

もちろん、大変ありがたいことです。

※「12時頃になると、お客様が一気に来られるのが作業場から見えますので、気合が入ります」と合田さん。

 

 

 

 



 

 

 

 

 

ーーおすすめ「スタミナうどん」。

最近は昔よりも健康に気をつかう時代となり、野菜が入ったメニューがよく出るようになりました。

冬場のみの「しっぽくうどん」も人気ですが、「しっぽく」が終わると多くのお客様が「しっぽく」から「スタミナうどん」に変わります。

「スタミナうどん」は野菜不足になりがちな、お客様にたっぷりと野菜を取ってもらおうと思って始めました。最初に注文された方は野菜のボリュームに驚かれます(笑)。

「うどんに野菜が乗っているのではなく、野菜にうどんがついている」

と仰って頂けるお客様もいらっしゃいますしね。

自分でも何種類の野菜が入っていたか、時々忘れることがあります(笑)。

※おすすめの「スタミナうどん」。野菜がこれでもかと乗った人気メニュー。うどんはもちろんですが、野菜の優しい美味しさが体に沁み込みます。

※「スタミナうどん」の野菜も注文を受けてから調理します。

※餡掛けのような味付けにした野菜がうどんの上に積み上がります。

※仕上げにたっぷりの出汁をかけて出来上がりっ。美味しいこと間違いなし。

 

 

 

ーーお客様とのご縁を大切に。

とにかく一杯一杯を丁寧に作ることと手を抜かないことが全てですよね。お客様には作り手の気持ちや姿勢は必ず伝わりますから。

当店は庶民的な店なので、お客様との距離も近いんです。お客様からメニュー提案されることもありますし、「ミックスぶっかけ」にマヨネーズをトッピングするのも常連さんからのリクエストでした。

また、「さぬきの夢」が初めて開発された際に、県の職員から

「『さぬきの夢』で試作品を作って頂けませんか」

と父がお願いもされたこともあったようです。

現在の「さぬきの夢2009」ではなく、その前の初代「さぬきの夢」は味や香りは抜群なんですが、うどんの形状にするのが中々難しい小麦粉だったようですね。

現在は改善されて、香川県産小麦の良いところが前面に出た素晴らしい小麦粉になっていますけどね。

そういったお客様との日々のやり取りの中で、ウチの店が50年営業出来ているのかなと感じています。

※「とにかく手を抜かないことを大切にしています」と合田さん。

※お昼のラッシュ時でも、必ず出来たて作りたてを出すのことが「番丁」さんが長年愛される理由です。

 

 

 

ーー最後に一言。

合理的な経営の視点で考えますと、提供スピードを速くして回転させること、コストカットなどや価格の見直しなどの採算を重視して、やらなければいけないのかなとは思います。

でも、当店はそういうところは目指していません。

お客様の日々の生活に深く入り込んで、お客様の人生の一部と言いますか…日常の生活のいち場面として普通に使われるうどん屋でありたいと思っています。

ですので、うどんは朝練りで小麦粉は県産小麦、天ぷらなどの作り置きもしない。

出来るだけ、財布に優しい庶民的な価格を守ること。

こういうことが令和の時代と逆行して…非効率かも知れませんが、でもそれが当店のやり方です。

本当に気軽に実家に帰って来る感じで、食べに来て頂けたらと思います。

※初めての方は「ミックスぶっかけ」をぜひ。オススメです。

※営業時間の合間のお忙しいところ、快く取材対応して頂きました。ありがとうございました。

 

 

 

 



 

 

 

 

 

さぬき手打うどん 番丁
住所 〒760-0017 香川県高松市番町4丁目14−26
電話番号 087ー833ー8076
営業時間 平日/10:00~19:00 (土曜日は10:00~14:00)  ※休みは第2土曜日・日・祝

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

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