仲多度郡まんのう町「小縣家(おがたや)」~みんなの家のような讃岐うどん店に~
元祖「しょうゆうどん」の発祥として、今でも香川県の観光スポットとしても名高い、仲多度郡まんのう町にある「小縣家(おがたや)」さん。
今回は店主小縣さんに「しょうゆうどん」のはじまりや讃岐うどんブーム時のエピソード等々、色々とお話を伺いました。
仲多度郡まんのう町「小縣家(おがたや)」~みんなの家のような讃岐うどん店に~
ーー小縣家の創業。
元々は現在の社長が幼少期に製麺所として創業しました。
後に飲食スペースを作り、現在のようなお店形態となりました。
小縣家として法人化にしたのは1978年(昭和53年)になります。
その後、現在の建物の裏にあった店舗で1989年(平成元年)から営業していました。当時の店舗は和風家屋のイメージで建てられており、席数は全部で500席ほどありました。席数も多かったですね。
それから、ちょうど5年前の2016年(平成27年)に改装し、現在の建物で営業しています。
ーー香川県の観光業と共に歩む。
振り返ると、最盛期は平成10年頃でしたでしょうか。
香川県内のお客さんだけでなく、香川県に観光に来られた団体ツアーのお客さんも大変多かった時期です。
何度目かの讃岐うどんブームでしたね。
当時は関西方面や中国、四国地方など色とりどりの観光バスが駐車場に停まっていましたね。開店後すぐの時間帯から午後の閉店間際まで、お客さんが途絶えることなく来ていました。
本当に毎日が忙しくて、特に高校生のアルバイトさんにとても助けてもらいました。多い時には20人くらい、アルバイトに来て頂いてましたよ。
その後、私たちもずいぶんと歳をとりましたので、新しい建物の店舗では随分と席数を減らしました。
今は近くに大きなショッピングセンターなどができたこともあり、アルバイトに来てくださる若い方も少なくなりましたね。
ーー「しょうゆうどん」のはじまり。
「しょうゆうどん」のきっかけは、スダチと醤油とうどんの3つがとても相性が良く、混ぜると美味しいということでしたね。
それに、体にも良い「大根」を追加しようと思いつきました。
また、特製の醤油は大変試行錯誤しましたが、昭和53年ころにようやく落ち着きました。「しょうゆうどん」はスダチと大根と麺の掛け算で生まれたベストマッチだと思います。この特製醤油は卵かけごはんにも使われる方もいらっしゃいますよ。
反響を呼ぶきっかけになったのは、お客様自身で大根をすりおろすことが、お客さんの待ち時間を楽しんでいただけたり、食べる以外の価値を提供できたことが良かったと思っています。
ーー小縣家が大切にしていること。
当店では「笑顔で楽しく」がコンセプトです。
製麺所時代にも「しょうゆうどん」もメニューとして出していたのですが、試行錯誤を重ね、おろし金も頑丈な現在のものに落ち着きました。
お客様が召し上がる前にストレスがあってはなりませんから。
ここ最近の話では、コロナ以前は丸々一本の大根を使っておりましたが、現在は小さくカットしてお出ししています。臨時的な対応なので、早く元のスタイルに戻したいですね。きっと、お客様もそう感じていらっしゃると思います。
大根については、やはり初めて来られたお客様は驚かれておりいますね。
お客様から
「香川県は大根が有名なんですか?」
と聞かれたりします(笑)。
ーー「しょうゆうどん」の食べ方。
※店内の説明書き参照
1.がんばってがんばって笑顔で大根をおろしましょう。大根のおろし汁も一緒に丼にいれます。(夏大根は辛味があります。ひかえめに)
2.すだちをギュッギュッとしぼります。(季節によりしぼり汁をご用意しています)
3.すりごまをたっぷり大根の上にふりかけます。
4.ねぎをお好みだけいれてください。
5.最後にうまいしょうゆをぐるっとまわしかけます。
箸をもちざっくりとまぜて、さあどうぞ。丼のあと汁はぐっといただいてください。
なつかしい讃岐平野の味とかおりです。
ーーお客さんに喜ばれるメニューを。
当店は「しょうゆうどん」が不動の一番人気です。
只、お客さんにもっと喜んでいただけるよう、季節に合った色んなメニューを考案してお出ししています。
今オススメしているのが「牛根(ぎゅうこん)うどん」です。
やわらかくて食べやすい地元香川産のオリーブ牛を使い、大根は長崎県の五島列島の特産、「茹で干し大根」を使っています。切り干し大根とは少し異なる味で、大根の甘みがありとても気に入ったので長崎県から取り寄せて使っています。
おかげさまでこの「牛根うどん」は人気メニューとなり、土日だとお昼過ぎには売り切れてしまいます。この「牛根うどん」以外にも「大根カレーうどん」などがお客さんに喜ばれています。
ーーレギュラーメニュー「しっぽくうどん」。
当店では「しっぽくうどん」を冬限定ではなく、レギュラーメニューとして年中お出ししています。
夏の暑い時期に「しっぽくうどん」と書いたのぼりを立てていたら、本当にメニューとしてあるのか確認して注文されますね。冬の時期に限らず「しっぽくうどん」がお好きな常連さんは2玉を食べたりしてますね。
当店が他のうどん屋さんと違うのは、天ぷら等の揚げ物がメニューにありません。
その代わり、「おでん」を名物メニューとして充実させています。
冬の時期は特に大根が一番人気ですが、時期によっては味噌に合うので自家製の里芋だったり、イイダコがあったり。おでんにも体に良さそうな旬のものをお出しできるようにしています。
当店で使用する食材は特に厳選し、こだわって使っています。
味はもちろんですが、お客さんに喜んでもらえるよう、目先の利益にとらわれず、お客さんが普段から食べやすい値段にしています。メニューが多くなると仕込みが大変ですが、現在の建物では席数を減らしていますので、お客さんの顔が見えるぐらいの目の届く範囲にしています。
ーー小縣家のこれから。
昨年はコロナウイルス感染の影響でうどん屋さんに限らず飲食店全体が大打撃を受けました。
外出の自粛要請などがあって、一時期は県外からのお客さんが激減しました。
コロナウイルス感染が落ち着いた最近では、少しづつですがお客さんが戻りつつあります。
県内のお客さんに加えて、県外からわざわざ徳島や愛媛などから来られたりしています。とてもありがたいことです。
当店では一番人気の「しょうゆうどん」のファンの方もいれば、お客さんそれぞれに決まったメニューがあって楽しんでいただいています。それぞれに違う美味しさがあるので、お好みで色んなメニューを召し上がって頂きたいですね。
基本的なところでいうと、うどんの作り方についても少しづつ変えていっています。やはり私たちが年齢を重ねてきたので昔のようにはいきません。できる範囲でお客さんにご満足いただけるように工夫しています。一番気をつけているのは味を変わらないようにしていることです。
小縣家として40年以上が経ち、今までたくさんのスタッフさんやお客さんに支えてこられてきました。高校生の時にお店でアルバイトをしてくれていた方がお子さんや家族を連れて食べにこられたり。そういうのを見るととても嬉しく長く続けてよかったなと実感します。
新しいメニューを考えたり、まだまだ挑戦したいこともあります。何よりもお客さんに喜んで頂けるよう頑張っていきたいと思います。
元祖しょうゆうどん 小縣家 | |
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住所 | 〒766-0023 香川県仲多度郡まんのう町吉野1298-2 |
電話番号 | 0877-79-2262 |
営業時間 | 9:30~15:00 |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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