仲多度郡まんのう町「やましょううどん」~自分だけのオリジナルブレンド出汁「ブレンドスープ」のはじまり~
仲多度郡まんのう町にある、ブレンドスープで名高い「やましょううどん」さんをご紹介。
店主の山下昇さんにブレンドスープはもちろん。創業時のお話やうどんづくりのこだわりについて、たっぷりとお話しをお伺いしました。
仲多度郡まんのう町「やましょううどん」~自分だけのオリジナルブレンド出汁「ブレンドスープ」のはじまり~
ーー創業の経緯。
地元香川を離れ、奈良県で就職しサラリーマンを4年間経験し、22歳のときに脱サラしました。
やはり、香川県といえば、「讃岐うどん」ですから。
最初は香川県のお店での修業を経て、岡山市内で昭和52年5月からうどん店をオープンしました。
その後、平成2年に香川に戻り、お土産うどんの製造を平成7年まで行っていました。そして、平成7年5月から今の場所で「やましょううどん」開業しました。
会社員時代やお土産うどんづくりでの日々の経験も、今の店づくりには活かされていると感じています。
人生で自分の実体験での経験は大切ですね。うどんづくりに多いに影響してきます。
ーー「ブレンドスープ」を出すきっかけ。
この店をオープンして間もない平成7年頃、地元の学校の先生だった常連さんの行動がきっかけです。
当店の業態はセルフうどん店ですので、出汁をお客様に自分で注いでもらうスタイルなんですね。
とあるお客様が、本当はかけ出汁を入れるつもりだったのが、間違ってぶっかけ出汁を入れてしまったんですね。
それで、そのお客様は勿体ないので、ぶっかけ出汁にかけ出汁を混ぜて食べた…というのが「ブレンドスープ」のきっかけです。
お客様も初めて、かけ出汁とぶっかけ出汁を一緒に飲んだ時に衝撃が走ったそうです(笑)。ありそうでなかった革新的な出汁だったのかも知れませんね(笑)。
早速、その経緯をアイデアとして、正式メニューに取り入れました。お客様自身で出汁のブレンドや塩梅を調整出来るようにしました。
その後、お客様が地元テレビ局の情報番組に投稿してくれたり、口コミなどによって「ブレンドスープ」の話題が広がっていきました。
それからはテレビや新聞、雑誌などいろんな取材が来てくれましてね。お店は忙しくさせて頂いていましたよ。
ーー大切にしているお客様とのつながり。
お客様は常連さんの割合が多いです。
まんのう町役場も近いので役場関係の方や郵便配達員の方など、皆さん来られる時間も毎日だいたい決まっていて、さらに注文するメニューも変わることがありません。
お客様のその日の気分で、季節の変わり目に温かいうどんから冷たいうどんに変えることはありますね。
長年のお付き合いになるので、お客様の顔を見たら、注文されるメニューはすぐに分かります。いつも、大を注文されるお客様が小を注文すると、体調が悪いのかなと心配したりします。
そのお客様は、たまたまダイエット中みたいでした(笑)。
うどんを通じて、お客様を知ることが出来て、幸せな瞬間でもありますね。
ーーうどんづくりのこだわり。
当店では使っている小麦粉も長年変えていません。
うどんづくりは湿度と温度に影響を受けやすいです。加水の状況によって、毎日茹で方の状況が変わります。タイマーで茹で時間を測っていますが、最終的には自分の長年の感覚が大事だと思っています。
毎日の湿度が違うことで、梅雨時は加水を減らしたり、夏は塩の加減を多くしたりします。仕込みは朝の5時から作業を始め、10時からのオープンに備えます。
お店によっては、一晩寝かせて作ることもあるそうですが、当店では朝に練って当日お出しするものだけを昔から、変わらずに作り続けています。
最初に基本となる、かけ出汁を作っておいて、濃い口醤油と砂糖、みりんを混ぜて、更に先ほどのかけ出汁を混ぜて、オリジナルのぶっかけ出汁をつくります。長年親しんでいただき有難いです。
ーー取り巻く状況の変化。
「ブレンドスープ」が話題になりはじめて、お店も大変忙しくしていた当時はうどんブームの最盛期でしたね。目が回るほどの忙しさでしたよ。
本当に体が持つのだろうか…と毎日思っていました(笑)。
県外からも、讃岐うどん巡りをされるお客様が大変多かったと記憶しています。ちょうど、香川県の讃岐うどん巡りが定番化した頃ではないでしょうか。
ここ一年間は、コロナウィルスの影響で外食を控える時期が続いたため、昨年はお客様が随分と減りました。今年も、まだまだお客様は少ない状況です。
只、最近は密にならないように、お客様が色々と気をつかって来店してくれます。本当に有難い限りです。
ーー「やましょううどん」のこれから。
今はコロナ禍ということもあり、昼休みの時間帯でも一人でやっています。以前は食器の洗い物も追い付かないほどの忙しさでしたが、今は割に落ち着いています。
これからお店を続けていくにあたり、心がけていることは第一に時間を惜しまず手間をかけること。
そして、お客様には安くて美味しいものを食べてもらいたいです。40年以上うどんに携わっています。日曜だけはお休みにしていますが、お客様が来られて体が続く限りは続けていきたいです。
本格手打ち やましょううどん | |
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住所 | 〒766-0021 香川県仲多度郡まんのう町四條416-1 |
電話番号 | 0877-75-4047 |
営業時間 | 10:00~15:00 ※休みは日曜日 |
公式サイト | http://www.u-yamasyo.co.jp/ |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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