search

讃岐うどん CLAPクラップ

仲多度郡まんのう町「山内うどん」~伝統×基本の讃岐うどんは薪と大釜でつくる~

2020.05.26

瀬戸大橋開通から讃岐うどんブームを牽引してきた名店「山内うどん」。

薪と大釜の強い火力で茹でるうどんは言わずもがな。今回は店主の山内鉄矢さんにお話をお伺いしました。

仲多度郡まんのう町「山内うどん」~伝統×基本の讃岐うどんは薪と大釜でつくる~

ーー創業は。

1984年に父が創業しました。

たしか、私が中学生の頃だったと思います。家業であるうどん屋を継ぐことは決めていましたね。ちょうど30歳の時に大阪から戻り、うどん屋を継ぐ準備をはじめました。

※写真は山内うどんさんの外観です。

※「山内うどん」はまんのう町の山道を登ったところにあります。

※写真は「山内うどん」のうどんです。

※「山内うどん」と言えば、大きなゲソ天とかけうどん。藤原屋の天ぷらはうどんと相性抜群です。

 



 

 

――先代からお店を継いだ時の話。

父は世代的にも口数が少なく、細かく丁寧に説明して指導するというよりは…自分自身で目で見て盗みなさいという感じでした。

最初は父のやっている仕事ぶりを何となく見ていましたが、毎日傍で見ていますと、ひとつひとつに意味があるんだなと理解できるようになりました。

※写真は「山内うどん」の店主山内さん。

※「伝統を守り、基本をはずさずに毎日うどんを作り続けています」と山内さん。

 

 

 

ーーお店のこだわり。

毎朝4時から仕込みをやり続けてもう20年です。

家業を継いでから「山内うどん」の伝統は変えずに守り続けていかなければと思っています。当店の場合、薪で火をくべてうどんを茹でますから。火加減はこだわりと言いますか…、ある意味、生命線であると思います。

※「山内うどん」の仕込み風景です。

※こちらは「踏み」の工程。こちらも開業から変わらず、同じ時間、同じタイミングでうどんを鍛えています。

※「山内うどん」の薪割りの風景です。

※薪の大きさを均一にすることが安定した火加減の源泉。山内さんの生命線。

 

 

 

ーーうどん生地の作り方。

うどんの出来は初期工程の「練り」の段階でほぼ決まります。

生地は呼吸していますので、作り手はそれを肌で感じなければいけないと思います。毎日の気温や湿度はもちろん、熟成時間も1日は最低かけるようにしています。

※「山内うどん」のうどん打ち。

※「うどんを打つ際には微妙な力加減が大切」と山内さん。

※「山内うどん」のうどん生地です。

※独特の弾力とモチモチ感が写真からも伝わる「山内うどん」のうどん生地。

 

 

 

ーー素材について。

小麦粉はASWを使っています。自分が考える理想のうどんになりやすいですから。モチモチとした弾力と口の中での食感が味わえます。

時代にあわせて、お客様が求めるうどんが少しづつ変化してます。もちろん当店の伝統や基本は守りながら、それに上手に合わせていくことも大切だと思います。

※写真は「山内うどん」のうどん生地。

※あっという間に切り揃えられたうどんは見た目も綺麗です。

※写真は「山内うどん」のうどん。

※薪で炊いた火力抜群の大釜で茹でられるうどんは緻密な計算と経験があってこそ。

 

 

 

ーー薪で茹でる難しさ。

薪の火力調整が毎日の悩みどころです。乾燥させた薪を同じ大きさで火にかけるのですが、今でも本当に難しく感じています。季節はもちろんですが、薪の種類や燃え方も異なりますんでね。

扱いに慣れるまでは本当に苦労しまして、20年経った今でもドキドキしていますね(笑)。

※「山内うどん」の薪をくべるところ。

※讃岐うどん店ならではのスピード感と慎重さも大切な火加減。薪で茹でる山内さんならではの光景です。

※「山内うどん」のうどんです。

※「茹で時間の目安は約10分」と山内さん。薪の火力で炊き上げる山内さんならではの茹で時間。

※「山内うどん」の大釜です。

※「火力調整が難しいので、茹でているうどんからは目が離せないんです」とのこと。

 



 

 

ーー讃岐うどんを作り続ける楽しさ。

かなり神経を使うことが多いのですが、それでもうどんづくりは楽しいです。

うどん生地は毎日、色々なことを作り手に教えてくれます。毎日なにか発見があると言いますか、うどんづくりは正解がないと思いますので。生地作りから火加減、出汁づくり等もまだまだ、日々勉強の連続です。

※写真は「山内うどん」の山内さん。

※「伝統を守りながら、気付くと自分の好みのうどんになっていることも」と山内さん。

※写真は「山内うどん」のうどんを茹で上げるところです。

※はちきれんばかりに茹で上がったうどん。朝9時開店の状態でお客さんは行列でした。

※写真は「山内うどん」の店主山内さんです。

※お客様の注文にあわせて茹で上がったうどんはどんぶりへ。

 

 

 

ーー「宮武系」うどんの楽しみ方。

良く出るのは「ひやあつ」ですが、私は「しょうゆ」で食べて頂くのもオススメです。

藤原屋さんの天ぷらは讃岐うどんとの相性を考えて、作ってくれていますので。天ぷらに味がしっかりとついていますね。

「宮武系」等、色々とネットで情報が出ていますが、お客さんが好きな食べ方で自由に楽しんで頂きたいですね。

※写真は「山内うどん」のうどんです。

※写真は「ひやあつ」。定番ですので初めての方は「ひやあつ」がオススメ。

※写真は「山内うどん」のうどんです。

※口の中ではじける「弾力」とほどよい「ねじれ」は目で見てもおいしい。

 

 

 

ーー最後に一言お願いします。

受け継いだ伝統と基本は守りながら、時代にあわせたうどんを作り続けています。20年作り続けていますと、どうしても自分の好みのうどんに気が付くとなっていたりしています(笑)。

若い方はイリコの効いた強めの出汁を好まない傾向にありますので、甘めに仕上げたり工夫しています。日々、勉強ですので謙虚に頑張ります。

※写真は「山内うどん」のうどんです。

※伝統のエッジが効いたうどん。是非、お召し上がりください。

 



 

山内うどん
住所 〒769-0316 香川県仲多度郡まんのう町大口1010
営業時間 9:00~うどん玉がなくなり次第終了 ※休みは木曜日

この記事を書いた人

アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/

YouTube/公式YouTubeチャンネル 
ボクらのうどんMore

唯一無二のうどんトーク番組ボクらにうどん

讃岐うどん専門の動画チャンネルです。
讃岐うどん店の店主さんにご出演頂き、色々なテーマに沿ってトークして頂いています。
讃岐うどん専門メディアとして、唯一無二の切り口の動画チャンネルです。

PICK UP!編集部おすすめうどん動画

讃岐うどん CLAP クラップ in 瀬戸内国際芸術祭2019 Setouchi Triennale 2019 瀬戸芸2019を振り返る。瀬戸内海の島々のコンテンツが蘇ります。
讃岐うどん CLAP クラップ in 瀬戸内国際芸術祭2019 Setouchi Triennale 2019 瀬戸芸2019を振り返る。瀬戸内海の島々のコンテンツが蘇ります。