高松市宮脇町「讃州めんめ」〜讃岐うどんの源流を守り続ける〜
高松市街の眺望も楽しめる「高松美山ホテル」内にある「讃州めんめ」さん。
讃岐うどんの伝統を大切にされている粂井(くめい)社長に貴重なお話をお伺い出来ました。
毎日、作り続ける伝統的な讃岐うどんは今も色褪せることはありません。粂井社長にうどんづくりのこだわりについて、たっぷりとお話し頂けました。
高松市宮脇町「讃州めんめ」〜讃岐うどんの源流を守り続ける〜
ーーうどんづくりのこだわり。
うどんを作るのがとにかく好きなんですよね。
その昔に県庁前で店をやってた時代は小麦粉から自分で作っていました。
三木町に3,000坪くらい自分の畑がありましたから、そこで小麦を栽培してましてね。自分で作った小麦を高松市内の水車小屋まで持っていき、そこで小麦を挽いてもらってましたね。
当然、素人が作る小麦なんで品質に関してはたかが知れてました(笑)。
でも、一から小麦を栽培して、粉から始まり、全て自分の手で作る作業経験が今のうどん作りには生きてます。
おそらく、令和の時代の機械は手打ちと変わらない品質のうどんが出来るんでしょうけど、私は全て自分の手で作る手作業で作るうどんが好きですし、今でも完全手打ちのうどんが美味しいと思ってます。
機械で作るうどんには、まだまだ負けたくないなと思ってやっていますよ。
ーー手打ちと機械の違いは。
麺の中心まで火が通るか、通らないかというところはかなり違います、本当に差が出ますよね。
手練り手打ちで作ったうどんは、麺の中心までしっかりと火が通っていながら、柔らかいけれど、しっかりと弾力がありますよね。やはり、手打ちは麺の中心まで火が通りやすいんです。
機械で作るうどんはどうしても、麺の中心まで火が通りにくい。
それはグルテンの構造や麺の熟成時間に火加減など、色々な要素があると思うんですけどね。機械で作ったうどんはどうしても火にかける時間が長くならざるをえないですね。
一方、手練り手打ちは弾力がしっかりと残りながら、麺の四角がしっかり立った、メリハリのあるうどんが出来るんじゃないかなと思っています。
特に讃岐うどんは茹でる際の火力と火加減が非常に大切だと思います。
ーー「讃州めんめ」の由来。
「めんめ」というのは、このあたりの方言で「自分」という意味なんですよ。
私はうどん屋するをする上で、全て自分(めんめ)の手作業で作りたいという、自分のこだわりがありましてね。
自分自身で全てを手作りで讃岐うどんを作りたい、そんな意味を込めています。
どうせ、うどん屋するならきちんと作りたいし、こだわりたいじゃないですか。
だから、自分で小麦粉から作ってみたり、手練り手打ち、そして手切りで作ることを当たり前にしているんです。
ーー出汁のこだわり。
出汁作りは基本的に化学調味料の類は使いません。シンプルにいりことカツオと昆布のみで出汁は作りますね。
当店は週の後半の木、金、土はそれにサバを少し加えています。
毎日、来て頂ける常連さんが多いので飽きないように配慮しています。週の前半と後半でほんの僅かですけど、出汁を変えているんですよ。
出汁を変えていることは、常連さんも気づかないですね。実は内緒で楽しんでやっています(笑)。
出汁は作っている自分でも、違いがわからないくらい繊細ですから。
自分で小麦粉を作ったり、お客様にも気づかれないこだわりというのを自分は大事にしています。うどん屋というのは、本当にしんどい仕事ですよね(笑)、でも楽しいんですよ。
ーー名物「きのこうどん」。
香川県では昔はね…きのこが取れる季節にうどんと、きのこを一緒に食べていたんですよ。
シンプルに醤油や出汁でうどんに乗せて食べていたことを、自分自身も良く覚えてましてね。
また、当店は毎日欠かさず来てくださる常連さんが多いんです。
うどん自体が塩分が多いので、毎日うどんを召し上がる常連さんのお体に良いものをと思いましてた。
きのこは体に良いとされていますから、食物繊維やビタミンを常連さんにも、当店に食べに来られた際に自然にとって欲しいなという気持ちがあるんです。そういう感じでメニュー化しています。
ーー昔からの讃岐うどんにこだわる。
讃岐うどんの面白いところは、自分自身で踏んで鍛えて、練って打って、切って茹でて。こういう一連の手作業のところが非常に面白いんですよ。
元々は、讃岐うどんは農作業の合間に家族がご近所さんに自分の畑で取れた小麦でうどんを振る舞っていた、それが讃岐うどんですから。そういう、日常食であり、質素なものなんです。
高価な食材で合理的に美味しいものを作るというのも、もちろん素晴らしいです。
ただ、讃岐うどんは自分の畑でとれた小麦で手作りでご近所さんに振る舞う…。そういうものだと思いますから、近代的な製法より、あえて遠回りして、原始的な作り方をすることも魅力だと思います。
まだまだ機械で作ったうどんよりも、自分自身の手で作ったうどんは美味しいと思ってます。何十年とうどん作りを続けても、機械にはまだまだ負けたくないという気持ちがあります。日々、勉強です。
ーー最後に一言。
昔の綾川付近の農家さんが作っていた、昔のうどん作りにかなり近い作り方をしています。
本流の讃岐うどんと言いますかね、手で練って、足で踏んで作る、自然なうどん作りですね。そういう、昔からの製法を守れるだけ守っていきたいなと思っています。
お気軽にお越しください。
讃州めんめ | |
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住所 | 〒760-0005 香川県高松市宮脇町2丁目32−40 高松美山ホテル内 |
電話番号 | 087-831-7185 |
営業時間 | 11:00〜14:00 ※休みは日曜日 |
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この記事を書いた人
アユム・スカシヒット(株)一誠社http://isseisha.co.jp/
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